「あのブログには毒がないからつまらない」
「どこか優等生的になってしまった」
といった批評を、あるブログで頂いた。全くその通りだと痛感しているので、つい気にしてしまった。
確かに、留学中は無責任な立場だったので、言いたい放題・書きたい放題だったのだが、今は多方面に気を使っており、ついつい無難な発言が多くなってしまう。リスク取って世相に切り込んでみても、炎上リスクはあってもメリットがそれほどあるわけでもなく、割に合わない、などとついつい考えてしまう。思えば、つまらない人間になってしまったものだ。
しかし、せっかく?なので、最近考えていた、ちょっと毒のあることを書かせてもらおう。題して、「脱・ノウハウ本」。
勉強本とか仕事術ブームだが、その効用はよく理解した上で読んでいる人がどれだけいるのか、疑問に思っている。勉強本を読んで勉強ができるようになったという人には会ったことがないし、仕事術の記事や本を読んで仕事ができるようになった人というのも聞いたことがない(ついでに言うと、教育ママの子供で勉強がすごくできるようになったという人も会ったことがないが、これはまた別の機会に)。気分転換として、あるいは勇気や元気を出すために読むのはいい。でも、それ以上の実質的な効用は極めて小さい。
勉強なり仕事のように反復継続的なものは、そのやり方に個人の習慣や癖がものすごく強く出るものであり、ダイエット本を読んでもダイエットができないように、強靭な意志がない限りは変えることはできない。メモの取り方、人との話の仕方、情報収集の仕方、仕事の進め方、全て訳あって今のやり方をしているのであり、本を読んだくらいで変えられるものではない。コンサル本とか、「戦略思考」といった類の本もまたしかり。
もちろん、一冊読んで「ヒント」をひとつや二つつかもう、くらいの意識でいるならいい。だとしたら、本を買いあさって丁寧に読み込む必要はないし、立ち読みでパラパラめくって気になったページくらいを覚えておけばよいのでは。
何事にも近道がないように、結局仕事にしても、コツコツ努力し続ける、ストレッチして挑戦し続ける、相手の立場になって物事を考える、そういった地道な努力以外には答えはない。他方で、精神論で「あきらめない」「明るく前向きにやる」「近道はない」といったことは、たくさん学べるかもしれない。
我々の世代は、何事にも安易にマニュアルや教科書を求めてしまい、それを読めば勉強した気になってしまいがち。でも、それは勉強しているわけではないのですよ。息抜きをしているだけです。本当の勉強は、マニュアル本を読むよりもずっとつらいものです。昔の受験勉強のように、頭を苦しいくらいにすり減らして。自分に負荷がかかっていると感じたら、しめたもの。そうではなく、マーカーだけつけるだけの楽なものだったら、何ら自分の糧にはなっていない。
そろそろ、ノウハウ本を読んでる暇があったら、勉強しようよ。私は後輩には、そのようにアドバイスしています。
* 秋から冬にかけて、いくつか「仕事術」っぽい本の出版を予定しています!笑。こちらは、息抜き・清涼剤、です。
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