ライフネット生命 副社長のブログ

新著がでます！

いまの仕事をはじめるにあたって最初に手に取った本が「生命保険入門」（岩波書店）だった。同書は生命保険の全体像をフェアに論じた本としては類がなく、以下のような高い評価を受けている（amazonのレビューより）：

『業界のオピニオンリーダー（の1人）による著作だけに、生命保険に関する一連のトピックをつぶさに押さえており、教科書としての完成度は高い。それでいて、決して業界寄りの姿勢ではなく時には苦言を呈するあたりに、著者の保険に対する想いと公正さが感じられる。』

『利源分析を著者の勤務する会社の決算数値を使って解説した部分などは、思わず「ここまで書いてよいの?」と思ってしまいました。一部、説明が不十分であっ たり、???　という箇所もないことはないですが、基本的には良く書けています。生保業界に関しては、暴露風のものや、一般人の不安をあおるデフォルメさ れたものが多く出版されていますが、この本は決して業界寄りでもなく、真面目に記述されています。業界内外にかかわりなく、一読をお勧めします。』

dan kogai 氏も、書評で以下のように評価してくれている：

『この一年、いや数年のうちに読んだ中で、もっとも目から鱗を落としてくれた本であった。

・・・

本書「生命保険入門」はまさに文字通りの本である。これから生命保険に加入する人々のための入門であると同時に、これから生命保険業界に入 る人々のための入門でもある。地味な表紙、そしてそれが岩波書店から刊行されていることから、後者の意味合いにしか受け取らぬ人の方が多いかも知れない が、実は前者、すなわち生命保険加入者こそ読むべき本である。

・・・

本書は常備するに値する「生命保険の保険」である。その「保険料」は2500円。月々ではなく一回限りである。これは、あなたが一生のうちに支払う保険料の5000分の1弱である。買ってすぐ読まなくても 、積読でもある程度効用があるはずである。セールスレディーとの対話で本書を傍らにおいておくだけでかなりの効果を見込めるだろう。

それでも「元は取れる」のであるが、しかしできれば通読しておきたい。本書は面白おかしく書かれた本ではない。色鮮やかな生命保険各社のCMと比較 して、本書は何と地味なのだろう。だからこそ、もし読むのであれば目を開いて読むべきである。目を開けば開くほど、多くの鱗を落としてくれる。本書はその ような本である。』

もっとも、岩波書店から出されているというだけあって、価格も\2,625円と決して安くはなく、一部は記述が専門的であり難しかった。

「生命保険入門」の著者であり、私の起業のパートナーである出口が、より多くの方に生命保険の仕組みについて知ってもらいたいと思って、より平易な言葉で書き下ろした新しい本が、本日から発売になる「生命保険はだれのものか」（ダイヤモンド社）である。

本の帯に書いてある「消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと」との通り、すべての方が人生の中で何らかの形でかかわることになる、生命保険の仕組みが分かりやすく書かれている。

生命保険は多くの人にとっては、住宅に次ぐ二番目に大きな買い物となっている。マンションを購入する際には平均10社を見学するそうだが、6割の人は生命保険を1社も比較せずに買っている。1,000万円を超えることもある買い物を、そのカラクリをよく理解せず、他商品とも比較せずに買ってしまってよいのだろうか？

本書をご一読頂ければ、生命保険のセールスパーソンと対峙するとき、ないしご自身で保険選びをされる際に、ワンランク上の対応ができるのでは、と考えております。ということで、本ブログにご興味を持って下さっている皆様、ぜひご一読ください。そして、感想を教えてください。

よい週末をお過ごしください！

（ユニクロのヒートテック、暑いです・・・）

すててこ／ももひき

すっかり寒くなってきましたね。冬の到来を感じさせられる。とはいえ、ボストンの冬はマイナス10度とかが日常だったので、それと比べると暖かいのでしょうが。

さて、カミングアウトしますが、寒くなると私、ぱりっとしたスーツ姿の下で、高い頻度でステテコ／ももひきをはいています。「ステテコ」で検索したら「ステテコ研究所」というウェブサイトがトップに来て、「ステテコ文化の復旧・創造を目的とした世界初ステテコ研究所、steteco.comへようこそ。」と書いてあったのですが、サイト内ではほとんどステテコが紹介されておらず、残念。

以前、女性に「冬にはステテコ」ということを（普通に）話したところ、「うそ？いやだー。ださー」と言われたことがあって、それ以来はあまり表だって話していなかったのですが、自分のprincipleが明確になったいま、信念を貫き、誰に何を言われようと、はくもんね。といいつつ、あの下には・・・と思われるのがいやだから、社内の女性が今日のエントリーを読まないといいなぁ、とも思ったり。

検索したら、こんなニュースも出てきました：

2008年3月12日、中国女性のおしゃれバイブル「時尚芭沙（BAZZAR）」誌の編集主幹が「“ももひき”なんて格好悪いから穿くべきではない」と発言したことが、多くの中国人の反感を買い、いまや「ももひき事件」と呼ばれる騒ぎにまで発展している。
http://www.recordchina.co.jp/group/g16658.html

この問題は、国境を越えて既に議論されているのですね！

（いや、これはあくまでブログのネタなので、本当は履いてないですよ・・・とひよってみたりして）

優しい気持ちになれる

朝、地下鉄の階段を上がると、寒い風が吹く中、ティッシュ配りをしている人たちがいた。

机の上にはティッシュ箱が常設されているので、かつてであれば、鼻水が出ていない限りは素通りしていたのだが、今日ばかりは、たくさんもらってあげようと思った。3個もらって帰った。

先日、ある企業のご厚意で、食堂の前でビラ配りをした。保険会社のビラということもあって、受けとって頂けない人もいて、そのときはまるで女性にふられたようなさみしい気持ちになったのだが、忙しい中も受けとってくれる人がいると、とても嬉しくて、「ありがとうございます！」と声高く言ったものだ。

このときは建物の中だったけど、それでも足元は寒かった。ましてや、屋外だったら寒いだろうなと思って、なんだか情がわいて、「がんばってくださーい」と言いながら3個ももらった。

自分たちでコールセンターを運営するようになってから、他社のコールセンターの見え方が変わってきた。完璧な応対をしていると「すごいなぁ」と思うし、ちょっとつたない対応をされると「がんばれ！」と言いたくなる。ちょっとしゃくし定規で頭が固い運用をされると、「ちょっとＳＶ（スーパーバイザー）の方に代わってもらえませんか」と、クレーマーめいたコメントをしたくなる気持ちを抑える。

先日はある会社から「お客さまへのお詫び」的な連絡があったのだが、そのときも「ご苦労様です、大変ですね」と自然と出てきた。

何事も、自分が相手の立場になってみると、いろいろなことが分かりますね。（自分も含めて）日頃から、このように相手の立場になりきることができたら、世界がもっと平和に、愛に包まれるようになるのに。押し売りセールスの電話は、相変わらず3秒くらいでせっかちに切ってしまいますが。

思い出せない

朝、格好のブログネタに遭遇した。ひとりで「ふふふ。今日はこれでいこう」とつぶやいた。週明けの朝一番だけど、ミーティングの合間をぬって書いちゃおう、そう思っていた。今週は幸先いいなぁ。バカ受けでコメント欄はあふれて、盛り上がりまくりだぜ、きっと。

しかし、こういうことってよくあると思うけど、ふとした一瞬で、そのネタを忘れてしまった。思いだそうと頑張ったけど、出てこない。でも、こういうのって、それを忘れて生活していると、深層心理というか、脳の違うレベルで検索エンジンデスクトップサーチ中　みたいな感じで、ずーっと探していてくれて、忘れた頃に、まんがで頭の上を電球がピコン　と光る感じで思い出してくれるんだよね。

と、思って、特に思いだそうと意識をしていなかったら、やばい、本当に思いだせない。いや、ほどほどにウィットにあふれていて、それでいて時事性もあって、今日それを書くのが自然で、でもビジネスの話でもないから厳しい突っ込みも受けそうになくて、そう、まさに「こんなブログネタが毎日あったらいいのに」という理想的な内容だったのだ。

それからは、考えた。やみくもに思いだそうとしても出てこなそうだったので、マトリックスを書いてみて、体系的に思いだそうとしてみたが、ますます出てこない。そう、まるでコンガラガッタ紐を解こうとして余計に絡まって行くように、思いだそうとすればするほど、それはより奥底に沈んでいくような感覚だ。あぁ、二度とこんな苦しい思いをしないでいいよう、今度楽しいブログネタを思いついたら、手帳にメモっておこう、自分宛てに携帯メールを打とう、社内のホワイトボードに書き留めておこう。

思いだしたら、書きます。

リリース

最近、ライフネット生命のホームページに新規ページや機能を色々と追加しています。

しばらくご無沙汰だった皆さまも、ぜひご覧ください！

ライフネット生命のＨＰ

さて、今日は、三本もプレスリリースを発表しました！

リリースのページ

アクセス解析をすると、業界の皆様からのアクセスが殺到。

さて、一番閲覧が多いリリース記事はどれでしょう？ふふふ。

よい週末をお過ごしください！

ネット世代

ネット世代はテレビゲームばっかりやって、ケータイメールばかりやっているので、考える力とかが衰えていそう・・・という理解が誤っていることが研究で明らかになった。この世代の定義は、1978年から1994年までの間に生まれた人を対象とした。

The net generation - The kids are alright (Nov 13th 2008, Economist.com)

People who play video games, for example, have been found to process complex visual information more quickly.  They may also be better at multi-tasking than earlier generations, which equips them better for the modern world.

例えば、テレビゲームをやる人はより複雑な視覚映像を処理するスピードが速いことが分かっている。また、彼らは上の世代よりもマルチ・タスクが得意であり、現代社会により準備が適している。

自分はファミコンで視力が悪くなったと信じているので、子どもには絶対にゲームをやらせないぞ！と心に誓っているのですが、こんなことを書かれると、気持ちが揺らいでしまったり。

興味深いのは、「ネット世代を特徴づける８つの規範」というもの：

• やることすべてにおいて、自由と選択が与えられていることを重んじる
• カスタマイズとパーソナライズが大好き
• 何でも突っ込んで調べるのが好き
• integrityとオープンさを求める
• 仕事にも教育にもエンタメ要素と楽しさを求める
• コラボレーションが好き
• 何事も早く実行されるものだと思っている
• 継続的なイノベーションが起こるものだと思っている

読みながら、意外と自分もこの世代に当てはまるなぁとも思いました。76世代。

誰も彼も銀行に

アメックスが不良資産救済プログラム（TARP）に基づく公的資金注入を申請するために、銀行持ち株会社への転換を米連邦準備制度理事会（FRB）から承認された、とのニュースが出たのが先週。今週は、米国の生命保険会社が同様の資金調達を実現すべく、中小の銀行を買収した、とのニュースが報じられた。

ハートフォードは約3,000億円を投じて地域銀行を傘下におさめ、それに基づき公的資金注入を申請するとのこと。他にも蘭エーゴンの米オペレーションであるトランズアメリカも7,000億円近くを出資して銀行を買収し、同様の措置を申請するとのこと。

資金へのアクセスを確保するためにあらゆる措置を取ることは経営判断としては正しいが、このように誰も彼もが銀行を傘下に収めることでこのプログラムへの参加が可能になるとすると、最初から適用範囲を銀行に限らず、もう少し広く、金融システム全般の安定化を図るために必要な先への資金注入を可能にしておけばよかったのに・・・とも思ったりして。銀行になることで、当局の監督規制がより強く及ぶ、ということが趣旨なのでしょうが、それを言うならば生保への規制ももともと強いのでは。

今回の措置について、米国の金融システムに関する背景なども含めて、どなたか教えてください～。

メディアトレーニング

大手金融機関の広報の方に聞いたのだが、PR会社にお金を払ってメディアトレーニングをしてもらう経営者も少なくないらしい。

しかし、もっとも簡単にできるメディアトレーニングとしては、ブログを書くことが一番いいと思う。

日常の中から、どのように外部へ伝えるテーマを選ぶか。普段考えていることを、どのような表現を使って言葉にするか。どのような言い方をすると、「地雷」を踏むのか。外部でどのような反響があり、まったく見ず知らずの人が自分の言葉をどのように評価するのか。

最初はあまり上手でないし、間違えたりもするのだが、やりながら少しずつ、少しずつ、慣れていくような気がする。最初は身近な人しか読んでいなかったのが、少しずつ好意的な人の間で読者ネットワークが広がり、さらにもっと大勢の人に読んでもらえようになる。ブログをはじめた当時と今では、自分もきっと書き方がかなり変わったように思える。

何より、「継続は力なり」ですよね。最近も色々な場所で、「ブログ読んでます」と言って頂けることが多く、自分では冴えないなぁと思っても、続けることの大切さを痛感したのでした。

というわけで、まだ始められていない方、ぜひブログを書いてみてください！

あきれるほどクールジャパン

１社6分×14社のライブ・デモであるLaunch Padがただいま終了。8時45分と早いスタートだが、参加者のほとんどがこれをもっとも楽しみにIVSに来ている、といっても過言ではない楽しいセッション。今回はこれまで以上にプレゼン内容がパワーアップしており、感銘を受けた（前回は「気鋭のベンチャー経営者に学ぶプレゼン術」というエントリーにてご紹介）。日本のクリエイティビティも、すごいものがありますね。

冒頭で楽しかったのが、「みんなでヘコめばこわくない！ヘコむを楽しむコミュニティサイト」のリグレト。悩みや公開を匿名で打ち明けると、皆が慰めてくれるというサイト。福田首相も辞任後、このサイトで慰めてもらったとか（プレゼンで使われたジョーク）。とにかく、楽しい。

プレゼン方法でも新しいアイデアを頂いたのが、先日のドリームゲートの表彰式でもご一緒させて頂いたモルフォ社。「西川史子似」との紹介付きの女性アシスタントとペアで行われた「ボケとつっこみ」を交えたプレゼンテーションは、ややもすれば技術的で難しくなりがちな内容をやわらかく、楽しく聴かせるためには有用で、自分たちの保険セミナーなどをもっと盛り上げるためにも参考になりそう。

グローバルで通用しそうな技術を発表されていた企業も複数。iPhone用のアプリ、「ポケットギター」は発表後2週間で、世界中で30万ダウンロードがあったとのこと。携帯のリアルタイム同期通信で複数の人が同時にゲームなどを楽しむための技術Spear Multiも、うまくやれば世界標準になれそう。iPhone向けのアプリケーションを次から次へと発表されているユビキタスエンターテインメントの清水亮氏はプロフィール文によると「独立法人情報処理推進機構により、天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定」されたそうだが、スピード感と勢いと、才能が爆発している感じがすごい。

そして、もっとも驚いたのが、「芸者東京エンターテイメント株式会社　代表取締役CEO/ファンタジス」の田中泰生氏。現在の会社も「あきれるほどクールジャパン」をコンセプトに立ち上げたとのことで、

「こんなの、はじめて。」なテクノロジー×「こんなの、はじめて。」なビジネスモデルで、あらゆるフィールドにエンタメを持ち込み、日本、そして世界を震撼させる予定。2007年度未踏ソフトウェア創造事業採択者。

だそう。同じ年で東大法学部卒と聞いてますます驚き、SF世界を思わせるvirtual reality、の先を行った"augmented reality"のプレゼンに、理解を超えたすごいものを見た気がした。このような「拡張現実」も、未来の生保マーケティングに使える日がくるか。

新たなサービス開発へのヒントと刺激をたくさん受けて、今晩帰京。iPhoneといったモバイル端末が、今後プロットフォームとしての存在感を増していくのだろうか。宮崎は暖かいのですが、昨日今日は東京も暖かったののですよね。少しでもオフィスを離れるのがさみしくて、用がないのに何度も電話をかけてしまいました。

よい週末をお過ごしください！

オフサイト

インフィニティ・ベンチャーズ・サミット Fall 2008　に参加するため、宮崎に来ている。プログラムが充実していて国内外の最新ネット・モバイル事情について知見を広めることに加え、セッションの合間の対話も充実しているのが嬉しい。今回で4回目の参加となるので、新たな出会いよりも、これまでに会った人と久しぶりに話し込むことの方が多い。

空港から会場までのバスでは、モバゲータウンの立役者であるDeNAの守安さんと隣り合わせ。改めて同社の創業時からこれまでの経緯を伺った。いまは大成功している会社でも苦しい時期があったことを聞くと、とても勇気づけられる。「そういえば！南場さんのブログで読みましたが、守安さんって、ヒロ●エの大ファンなんですか？」と突っ込むことができ、嬉しかった。ふふふ。

セッション会場で隣を見ると、食べログ創設者の村上さんがいる。食べログはもっとも好きで愛用しているウェブサイトの一つなので、それをゼロから大ヒットさせた同氏は、私にとってアイドルのような存在。自己増殖的なCGMサイトの立ち上げについて、いろいろとお話を伺う。

休憩中にコーヒーを飲みに出ると、はてな取締役の輿水さんと再会。はてなは開業前に会社のグループで使っていたこともあり、個人的に好きな会社なので、いつか京都に遊びに行ってみたいものだ。「ライフネットの保険、よろしくお願いします～」と営業。

本日のスペシャルゲストは、東国原知事。我々経営者に対しては、懸命に開発拠点やコールセンターなどの誘致を訴えられている。はじめて実物（遠くからですが）を見たが、エネルギッシュかつユーモラスに宮崎県のトップセールスを続ける姿には、感銘を受けた。やはりトップのもっとも大切な仕事は、対外的な売り込みなのですね。

レセプションでは、ライフネット生命の株主2社のご担当者と出会い、今後の飛躍に関するアイデアをブレインストーム。東京のオフィスで議論をするのとまた違う環境で話し合うと、いつもよりさらにヒートアップ。貴重なヒントをたくさん頂く。

二次会では、大学同級生であるオリコンCOO平井氏と熱く議論。オリコンと金融って関係なさそうですが、自動車保険のランキングはやっているのね。同氏が社長を務めるオリコンMEは業績が絶好調だそうで、いつしか立派な経営者になっているのを友人として嬉しく思う。いつか、ビジネス面でコラボレーションができたら嬉しいね。

ということで、それぞれの方々に個別に会いに行く代わりに、一同で密度の濃い話し合いができることが、こういったオフサイトで行われるカンファレンスの醍醐味なのだなぁ、と実感している次第。明日は8時45分から6分×14社の新商品サービスプレゼン！