朝、地下鉄の階段を上がると、寒い風が吹く中、ティッシュ配りをしている人たちがいた。
机の上にはティッシュ箱が常設されているので、かつてであれば、鼻水が出ていない限りは素通りしていたのだが、今日ばかりは、たくさんもらってあげようと思った。3個もらって帰った。
先日、ある企業のご厚意で、食堂の前でビラ配りをした。保険会社のビラということもあって、受けとって頂けない人もいて、そのときはまるで女性にふられたようなさみしい気持ちになったのだが、忙しい中も受けとってくれる人がいると、とても嬉しくて、「ありがとうございます!」と声高く言ったものだ。
このときは建物の中だったけど、それでも足元は寒かった。ましてや、屋外だったら寒いだろうなと思って、なんだか情がわいて、「がんばってくださーい」と言いながら3個ももらった。
自分たちでコールセンターを運営するようになってから、他社のコールセンターの見え方が変わってきた。完璧な応対をしていると「すごいなぁ」と思うし、ちょっとつたない対応をされると「がんばれ!」と言いたくなる。ちょっとしゃくし定規で頭が固い運用をされると、「ちょっとSV(スーパーバイザー)の方に代わってもらえませんか」と、クレーマーめいたコメントをしたくなる気持ちを抑える。
先日はある会社から「お客さまへのお詫び」的な連絡があったのだが、そのときも「ご苦労様です、大変ですね」と自然と出てきた。
何事も、自分が相手の立場になってみると、いろいろなことが分かりますね。(自分も含めて)日頃から、このように相手の立場になりきることができたら、世界がもっと平和に、愛に包まれるようになるのに。押し売りセールスの電話は、相変わらず3秒くらいでせっかちに切ってしまいますが。
atsushiさん
おお!お返事ありがとうございます。人さまのブログでメッセージを交換するなんてホームパーティみたいな感じです。岩瀬さん、場所借りてます・・・。
こんな横やりコメントいれるような他人の私にお礼をおっしゃるなんて、それ自体がとても立派です。もちろん読解力が云々なんてことないです。私はたまたま岩瀬さんが書かれていたような、自分を客観的に観る「ガツン」ときた経験があったので、妙に共感して自分の共感点を書いてしまっただけなのです。
自分はかれこれ15年くらいWebサービスの業界で働いているのですが、企画、戦略、開発とかという立場が多くて、ユーザーに直に怒られたりする経験がなくて、いわゆる消費者の気持ちとかぜんぜんわかってなかったんです。それが今の仕事で、カスタマーサポートも含めてすべてを自分で管理しなくちゃいけない、となったときに初めて消費者である自分に接していた人たち(ウェイトレスさん、タクシーの運転手さん、ティッシュ配り、電話勧誘の方たち)の気持ちが見えてきたんです。それからは比較的思いやりのある消費者(笑)としてふるまえるようになってきたと思いますけど。
そうすると世の中の人がいかにそうした消費者と相対で仕事をしているサービス業の人たちに傲慢な態度をしているのかが見えてくるんですよね。
人間として「相手の立場で考えられる」というのは他の種の動物にないすごい能力なんだと思うので、これからもそういうところは大事にしていきたいな、と思ったりして。
こちらこそ、いろいろとありがとうございました!
投稿情報: たらづん | 2008年11 月28日 (金) 16:16
たらづんさんへ
僕もなんだか、少し言いたいことがうまく
言えなくて気持ち悪かったのですが、コメントしてくださったおかげで大分とスッキリしました。僕はまだ読解力が足りないのかなぁ!?自分でも何だか正直、食ってかかるようなコメントをしてしまって恥ずかしいと思います。私は坂東さんの本を読んでから品よく見られたいからティシュを受け取らなくなったのではなくて、今回のコメントの視点でもあったのですが、坂東さんも言っている通り、消費者金融などが必要以上にティシュを配っていることに問題を感じるようになりました。結果として無駄にティシュを使っている人が多い気がしているのです。
それは、別として今回の岩瀬さんのお話は寒い中お仕事をされている方を気遣われたそれが、優しい気持ちなのですね。
自分以外の人に心を寄せるって、大切です。たらづんさん、ありがとうございます。
岩瀬さん 読解力のない、かわいらしい少年をその優しい気持ちでお許しください。
爆。調子よすぎでしょうか!?
投稿情報: atushi | 2008年11 月28日 (金) 11:35
atsushiさん
岩瀬さんとしては
「相手の立場になってみたら」→ティッシュを喜んでもらえた
電話でもねぎらいの言葉が出た
それがご自分で客観的にみたら「優しい気持ちだなぁ」って思ったようなので、ティッシュをもらうこと=(主観的な)俺の優しさ、ということではないんでしょうね。「相手の立場で考える」というのが優しい気持ちや環境を作るアクションなんでしょう。
ですから、「女性の品格」でいうところの
ティッシュをもらうこと = 他人に卑しく見られるかどうかの行為
と
岩瀬さんの
ティッシュをもらうこと = 相手の立場で考えたら出てきた行為
というのとは、ちょっと観点が違うんでしょうね。でも、きっとastushiさんが考えられるように、早くおうちに帰れるようにともらうこと自体、優しいことだと思うし、坂東さんのいう"品格"よりも上質だと思います。
と、横からすみません。
でも、「相手の立場で考える」というのはやはりエコロジーの原点なんだと思います。職場や友人との関係では「相手の立場で考える」ことが当たり前の環境であっても、そこから一歩外に出てみると、なかなかそのようには扱われないこともあったり、自分も忘れがちだったり。世界どこにあっても常に「相手の立場で(も)考える」というのはなかなか難儀なことですね。
投稿情報: たらづん | 2008年11 月27日 (木) 22:28
今回はめずらしく反対意見です。
受け取ることは優しさでしょうか?
私はポケットティッシュをもらう派だったのですが、「女性の品格」(坂東真理子著)を読んでからは、受け取るのがいいのかどうか悩みました(!?)。
本当に優しいってどういうことなんでしょうね。(個人的には早く配り終えたら、早くお家に帰れるのだろうしそうしたほうがいいのかなっと思いますが)
自分以外の人のことを考えるって意外とできるようで、忘れてしまっている人が多いですよね。百貨店などにいくと、とても
必要以上に偉そうに店員さんに言っているお客をたまに見かけますが恥ずかしくないのかな?と思います。
とにもかくにも相手の立場に立って考えるのは大切です。広告を受け取って、ライフネットを知って加入する。これもまた運命的な恋愛に似ていますね。
投稿情報: atushi | 2008年11 月27日 (木) 12:57