今朝の日経新聞4面、「ネット生保 本格始動 ~ 保険料低く 大手に経営変革迫る」の記事は秀逸でした。ネット生保の本質を鋭く書いていると思います。ぜひ、ご一読ください。
ネット生保のデメリットとして掲げられる、「営業職員に相談できない」という点については、以下のように書かれています:
大手ならば営業職員に相談できるが、ネット生保では原則としてすべて自分でこなさなくてはならない。
ファイナンシャルプランナーの内藤真弓さんは「ネット生保に加入するなら契約の自己管理が欠かせない。コールセンターをフル活用すべきだ」と助言する。
対面か電話かの違いがあっても、丁寧に対応するのは変わりませんので、コールセンターをフル活用頂ければ、かなりのサービスはご提供できると思っているのですが。
また、新設会社ゆえの不安定さについては、以下のように書かれています:
さらに、ネット生保は大手生保に比べると、財務基盤が劣る点は否めない。
確かに、自己資本は数兆円もないので、否めません。ただ、ソルベンシーというのはあくまでも保有している負債に対して、どれだけ自己資本があるか、という点ですから、保有件数がそれほど多くない今は、132億円の資本は手厚いと思っています。
そして、一番本質的なポイントは以下の箇所:
ネット生保の登場により、大手生保は保険料に見合う質の高いサービスを提供しているか、厳しく問われることになりそうだ。
そうなんです。ネットがいいとか悪いとか、そういう話ではない。高い保険料に見合うだけの付加価値サービスを求めるかどうか、ということなのです。
たとえば、記事で書かれている例で、もちろん「配当も解約時に戻るお金もないため単純比較はできない」のですが、大手生保6,600円とライフネット3,484円とあります。保険会社が自分で比較するとまた問題になりそうなので、仮に、空想のネット生保会社Xが3,600円の保険料を出しているとしたら、その差は月に3,000円。年間で、3万6千円。10年間で、36万円。
すると、お客さまとしては、上記で掲げたようなネット生保Xのデメリット+配当・解約返戻金がないことと、自分にとっての36万円の価値を比較することになるわけです。
手厚いサービスを受けるために、36万円を支払うか。保険はコストだと割り切ってできるだけ抑えることを目標に、自己管理をして、その36万円を貯金したり、お子さんのピアノレッスン代にしたり、自分への投資に使うか。
そのような選択肢が、一人ひとりに迫られているのではないでしょうか。
我々も、お客さまに対して「ネット生保がすべての人にとってよい!」と押しつける気はありません。上記のような選択を、提案したいのです。
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