連日、保険ネタで失礼。一応、保険ブログということでお許しを。
父親の自動車保険が満期で更新をむかえたので、お得な見直しができないか、ちょっと調べてみた。損保はあまり詳しくないので、どうなるか、ちょっと楽しみ。
まずは保険会社から送ってきた書類で現在加入の保険をチェック:
- 免許証はブルー、使用目的は日常・レジャー、適用等級は8等級
- 26歳以上の同居の家族までが補償対象
- 対人・対物は無制限。事故での人身傷害も無制限。
- 1000万円の死亡特約、1万円の入院特約つき
- 車両保険は免責10万円、保険金額が80万円
これで、団体扱い一括払いの保険料が年間12万円。会社の団体扱いで入っているので割安なのかなと思っていたところ、なんか高い気がする。
早速、ほぼ同条件で某外資系ダイレクト損保のウェブサイトで確認したところ、
- 車両保険なしなら2万7千円
- 一般車両保険付きで5万2千円
え?半額じゃん。
本当にこんなに安くなるわけない、と思って、コールセンターへお電話。いままではコールセンターに電話すると、聞きたいことは根掘り葉掘り聞いていたが、自分たちでコールセンターを運営するようになってからは、「いつもご苦労さまです・・・」という気持ちで、とっても優しい気持ちになってしまうのが不思議。
補償内容を確認したところ、やっぱり、ほぼ同じみたい。
つまり、(会社の団体割引があっても)代理店経由で加入するのと、ダイレクトでウェブ経由で申し込むので、半額=年間約7万円の差がある、とのことでした。これが、手数料の差でしょうか。
ちょっとした親孝行をした気になって、早速ウェブの見積もり画面のスクリーンショットを父にメールしたところ、以下の回答が:
「ありがとう。でも、やっぱり、いまはこのままでいいや。」
保険の見直し、やっぱり値段だけではないのですなぁ。ダイレクト保険のインパクトの大きさと、他方で一般ユーザーの慣性というか、スイッチングコストの大きさを、体感した実例でした。
岩瀬さん、こんばんは。
父親にそう言われちゃうとちょっとサミシイですよね^^;
直接関係ありませんが、私はメーカーから今の仕事に転職する際、父親から猛反対(いや、もう罵倒ですね)を受けたんですけど、そのことをふと思い出しました。
でも、御社のターゲットにしているマーケットはお父様の層ではないでしょうから、それは織り込み済みということで仕方ないのではないでしょうか?
さて、リバースモーゲージ云々は説明がややこしいのでまたのパワーある時にさせてもらって、こっちだけレスしておきます。
>あと、通りすがりさんは、終身保険の上に医療特約は勧めておられないのでしょうか?今度また、ご議論させてください
個人的な基本スタンスは
◆がん保険(特約)は比較的積極的に勧めます。一般の医療保険は(特約)は積極的には勧めません。
◆理由①医療保険は投下コストに対して、保険事故発生時でもレバレッジ(何日型x入院日額+手術が1回の給付上限)が低いため、貯蓄で代替可能ではないかという点です。(なお、がん保険は対象をがんに絞ってるのでコストが安いこと、入院給付は90日経過なら無制限でレバレッジの限界がないこと、手術は根治術(入院日額x40倍)をすることが多く、保険の果たす意義が大きいと考えて、勧めます)。
◆理由②医療(健康保険)制度、クリティカルパスなどから入院がますます短期になっていくだろうということ。もし外来中心の治療になったら、ほとんどの現行医療保険では、手術給付のみしか期待しづらくなります。入院給付はもらえても極めて少額になりかねないということです。
◆キャッシュリッチな方には「理論的には不要かも、お守り的にならYESでは」と案内します。また、大手上場企業勤務の方には会社の団体定期を見せてもらい、そちらを勧めることも。
◆現時点で貯蓄が少ない方は、10年か80才を勧めてます。10年は目先コストが安い、健康なら途中で見直し可能、最悪の場合でも更新できる、更新後保険料も40代までならたいして上がらないことなどが理由です。80才は更新が無く、終身よりも安いということが理由です。
◆なお、どうしても「終身かつ1日目~で安いものを」という要望の場合には、私は扱えませんがEVERを自分で資料請求してはどうかと案内してます。この商品は医療保険の中ではよくできていると考えてます。(すいません、御社ではなくて。手術給付がやはりちょっとネックです)
◆なお、上記と反しますが、20代~40才前後までの女性には事情をお聞きしながら、医療保険を積極的に勧めることも多いです。これは、自分の経験で分娩にまつわる給付金支払(帝王切開、切迫早産、流産による子宮内除去術等)が特に多いもので。もらえる確率が高いのなら保険もありでしょうという感覚です。(喜んでもらってナンボですので)
◆また、会社に有給がない、自営業の方などは稼動益の確保という観点でありかなと思います。(私は医療保険とは違う方法で提案しますけども)
一番大切なのは、お客様はなんとなく分かっていながらも「医療保険に加入していれば医療費を(すべて)まかなってくれる」という漠然とした錯誤があるということです。これは錯覚だということを明確にして、その上で、そういったことに備える手段として医療保険かあるいは他の方法がいいかを真摯に話し合うことが一番重要だと考えます。
人間の基本的な弱さ(自分がみじめな思いをしたくない)を突いて、イメージで医療保険のTVCMを垂れ流すのはいかがなものかとなぁというのが、ひねくれているかもしれませんが個人的な率直な思いです。
長文失礼しました。
投稿情報: 通りすがりの外資生保 | 2008年6 月27日 (金) 01:09
損保の場合は、代理店等が有効に働くことは事実ですね。 支払部門にいる人間としても、やはり「難しい」と思う事がありますから。
自動車保険であれば、主に民法だけでいけますから、法律知識のある方であれば、一定対応可能です。(民事訴訟法の知識あれば、なおOK) とはいえやっぱり、賠償問題ですからね。 身近に相談できる人がいた方がいいと思います。
火災保険等のいわゆる「物保険」は一層保険会社の査定が響いてきます。しかも、火災保険の査定で、実際にどう算出されているかご理解頂いている方は殆どおりませんので。 保険会社としても日ごろ被保険者と接している代理店の方がいらっしゃると、被保険者へご説明させていただく際もフォローいただけるのでとても助かります。
あと、法人分野では検討分野が多岐に亘りますので(利益保険、物保険、賠償保険、労災、傷害など)、どうしてもブローカー、代理店の存在は不可欠になりますね。
とはいえ、本当は申し込みいただく際に、しっかりと保険契約の内容をご理解いただく事が重要なのも事実。 その意味では貴社の取り組み、理念を尊敬しております。
投稿情報: 火新損調くん | 2008年6 月27日 (金) 00:47
自動車保険の場合は、事故時の対応等(事故の相手方との交渉、示談等を含む)、全国津々浦々のサービス網の充実が求められるます。そのため、それなりの規模感のインフラが求められます。(もちろん、全て自前で持つ必要はないですが。)
その意味では、生保と違って、ネットで安けりゃいいってものではないです。
以前ネットで入り、支払局面を向かえ、全く相手方と交渉が進まない、事故の評価が進まない、挙句の果て、事故の相手方のいいなりで終わるという、大変なストレスを受けた経験があります。ご参考まで。
投稿情報: yag | 2008年6 月26日 (木) 21:48
自動車保険の場合は、事故時の対応等(事故の相手方との交渉、示談等を含む)、全国津々浦々のサービス網の充実が求められるます。そのため、それなりの規模感のインフラが求められます。(もちろん、全て自前で持つ必要はないですが。)
その意味では、生保と違って、ネットで安けりゃいいってものではないです。
以前ネットで入り、支払局面を向かえ、全く相手方と交渉が進まない、事故の評価が進まない、挙句の果て、事故の相手方のいいなりで終わるという、大変なストレスを受けた経験があります。ご参考まで。
投稿情報: yeg | 2008年6 月26日 (木) 21:47
以前からBlogを拝見しておりますが、岩瀬さんのような方こそ是非政治をやって頂きたい。一起業家にしておくのは日本の損失だと思います。
投稿情報: 匿名 | 2008年6 月26日 (木) 20:16
保険のスイッチングコスト、これは結構大きなポイントかもしれませんね。
実は、私も生保は個人で代理店をやっている高校の同級生から、損保は30年来のおつきあいになる方から買っています。
保険について消費者(自分の場合ですが)が考えるポイントは大きくは2つではないかと思います。ひとつは金額(保障に対する保険料のバランスも含めて)にちがいないのですが、もうひとつはイザと言うときにちゃんと保険金を支払ってもらえるかどうかだと思います。
損保では、自動車保険にしても火災保険にしても「査定」によって支払保険金が変わってしまいますし、自動車事故の場合は示談交渉の上手下手というのもあります。生保にはそういうことは無いと思いますが、保障内容があまりにわかりにくく、約款を全部理解して契約するなど普通の人にはとてもできません。で、イザ支払いの段になって、このケースは免責だのなんだのと難クセつけられて保険金の支払いを渋られたのではたまったものではありません。
ですから、顔見知りの人から保険を買おうというのは、ある意味保険の一番の価値である「安心」を買うという点で、消費者心理にピッタリ合っているのではないでしょうか。
岩瀬さんの志は尊敬に値すると思っていますし、ライフネット生命の成功を願っていますが、保険という商品は、やはり価格やスペックだけではない「なにか」がないと買ってもらえない、難しい商品のように思えてなりません。
投稿情報: SHU | 2008年6 月26日 (木) 14:18