3社の天職とMBA留学を経て、ビジネススキルは自分なりに成長して来たと思うのだが、未だに未熟だなぁと感じさせられることが多いのが、『ここ一番の勝負どころでの判断力』。
何が本質的な論点であって、それについてどのような立場があり、よって立つ根拠がどのようなものであるか、ロジカルに積み上げて比較考量して考えるのは、得意な方だ。ただ、そのようにして導かれた結論が、もっと大きな視点からの判断としては、正しくないことはよくある。
その判断は、時間軸をもっと長くとってみたり、理論的にではなく現実的に起こりうるシナリオを元にしてケース分析をしてみたり、あるいは豊富な経験に裏打ちされたものだったりするのだが、とにかく誤ってしまうことが多い。(例えるなら、麻雀で理論的にどのハイを切るべきかは分かるが、ここ一番の勝負どきと降りどきの判断を誤ってしまうようなもの。)
つい先日、社長の出口と議論を交わすことがあった。当初は二人で同じ意見だったのだが、途中で第三者に厳しい点を突かれて、途中から自分も意見をこの第三者側に変えたくなった。ロジックでどう考えても当初の立場を養護することができず、逆の立場に「寝返る」立場を取らざるを得なかった。
出口は、一向に考えを曲げず、自分が信じることを主張し続ける。普段はきわめて柔軟な彼も、自分が深く信じることは絶対に譲らない。以前も何度も自分の方が間違っていたので、途中から、「どうせ出口さんの判断の方が最終的には正しいんだよなぁ」と思いながらも、議論をしていた。
身内を褒めるのもなんだが、彼が描くビジョンや、直観を含めた判断力、信じることを唱え続けるパッションや、信じる見方を守り続ける想いは本当にすごく、人を惹きつけるものがある。将来が読めないベンチャーには、彼のように、誰に何を言われようと絶対に揺るがない信念を持つビジョナリーが不可欠なのだ。
そんなわけで、これからは大局観と、ロジックよりは直観に基づく、オトナな「判断力」を身につけたいと考えております。
はじめまして、筑波大学の院生の者です。
いつも楽しく拝見しております。
>3社の天職とMBA留学を経て
天職→転職
ではないですか?
編集後この投稿は削除して頂ければと思いますm(_ _)m
投稿情報: sato | 2007年11 月25日 (日) 21:41
おはようございます。
ロジックはロジックでとても大事で、最終的な判断するまでにいろいろな罠とか盲点とかをつぶすのに欠かせませんが、最終的な判断は与えてくれないですものね。
麻雀の話が出たので阿佐田哲也さんの言葉から、
「技術は負けを抑えるためにしか使えない」
これもそういうことを言っておられるのだと思っています。ロジックで功績を挙げて昇進してきた人の弱点は、ロジックのこういう性質を知らないところにあるとも思っています。
投稿情報: bun | 2007年5 月24日 (木) 09:52