先のエントリーは前ふり。保険オペレーションの職人たちへの尊敬の念を、新著でさらっと触れたところ、本人から社内SNSへ、以下のような書 き込みがあった。先日の千原ジュニアの番組でもご紹介した「会社は野球チームのようなもの」という点とも関連するので、ここに全文紹介させて頂きます:
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岩瀬さんの新著「超凡思考」に、専門性をつきつめることの重要さについて記載されている部分があり、そこぶ保険事務のアーティスト的な人物の存在がほのめかされている箇所があります。
まあ、自分でいうのもなんですが、たぶん、僕のことでしょう。
きっと。
えっへん。
と、いいたいところですが、そこまで自惚れ屋ではございませんので、あくまでも冗談ですが。
しかし、仕事をしてきたなかで、事務処理屋になったことは、ひとつの転機であったのは間違いありません。
入社して4年ほど代理店営業担当だった僕は、当時、結構営業が気にいっていて、ずば抜けた成績はないものの、それなりに充実した日々を送っておりました。
そんなある日、人事異動で、「顧客サービス部 保全G 主任:現北九州支社 営業第二G主任」という発令表が出まして、当時、
「な・な・なんで!?、なんで保全!?」
と一人大騒ぎをした覚えがあります。
ちょうど偶然視察に来ていた営業企画部長に「ふーん、お前、事務とか得意なのか?事務はなあ、大変だぞ。今後その仕事をする限りもう褒められたりすることはないな。」と言われ、
「ガビ~~ン。。。俺なんかしたっけ?」
とすら思ったくらいでした。
その営企部長、直後、当時の支店長に見つかって、なにやら支店長室に呼びこまれていたのですが、後で聞いたところ、
「なぜ、この大事な時期にFを動かすのか。北九州における彼の存在の意義がどれくらいか本部はわかっていないのではないか。」
ということをかなり言われた、オレ人事部じゃないのに・・・、といってました。(若干美化されている面あり)
それを聞いて僕は、非常にうれしかったのと、やっぱり、営業がいい!!と思ったわけですが、そんなことで人事異動が覆るはずもなく、本社新宿へ向かったわけです。
支店長が営企部長に苦言を呈した話は、本社にも一部伝わっていて、それで、人物保障的なものが得られ、結構営業現場がわかる者的位置付けで、重宝されました。
士は己を知る者のために死すではありませんが、何事も、人とのつながりにより人生が動いていくものだと感じました。
その後、ずっと保全収納系の業務をやっていくわけですが、当時いた会社は、本社事務部門の地位が非常に低く見られていました。
一部には、左遷先的な雰囲気すらありました。(そういう風にかってに思い込んでいた営業が多かったというのもありますけど)
そんなわけで、モチべーションが高いはずもなく、日陰者、営業のわからない頭の固い連中的な地位にあまんじていたわけです。
システムもぼろぼろ。
手作業、手作業、手作業で、深夜まで残業、処理できず滞留し営業に叱られる、事務ミスで詫び状を書かされる、誤払で回収が発生する、支払が遅れてそのお金 をあてにしていた企業からひどいクレームをうけお詫びに行く、名義変更の不当処理に対して訴状が届く、など、まあ書いてみると、ほんとにおもしろくなさそ うな部署なわけです。
でも、不思議と嫌ではありませんでした。
忙し過ぎると、人間嫌だとか好きだとか、考える余裕もないのかもしれません。
そんな中、事務処理部門の周囲を見回してみると、業務企画系・事務企画系などには、MBAホルダーみたいな、人たちがいることがわかりまして、いわゆるエリート部門的扱いを受けていたわけです。
なぜか「企画」がつく部門は、グレードが上に思われる。
それを見まして、当時僕は、
「企画だかなんだか知らないけれど、実行できない企画を何百個プレゼンしたって、意味ないじゃないか!」
「実務担当の不当な評価の低さはなんだ!それにそれに甘んじている実務担当者もどうなんだ!」
的な憤慨がありまして、
「おれは絶対に企画部門へはいかないぞ!徹底徹尾実務主義でやるんだー!!」
と深く心に期するものがあったわけです。
それからです。
営業ももうやんねー、これから事務実務の世界でトンガッテやるーっ!てなったのは。
超長い話ですが、そんな、こんなでいまここにいます。
もちろん、もう、そんなに盲目的ではないです。
まあ、いろいろあっていいじゃん的な感じです。
でも、きっかけ的なそんなことだったなあーと思い、せっかくだから書きとめてみました。
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金曜に相応しい、久々の長文エントリーでした。寒い日が続きますが、お体には気を付けて、よい週末をお過ごしください。
私も本社にいたときは経理事務担当、いまは海外現地法人の事務処理担当です。(笑)
もともと営業を希望していたので、彼の気持ちはとてもよく分かります。でも事務屋とはいえ、ひとつのことを突き詰めていった先には何かが見えてくるのではと思い、最近はプライドをもって仕事に取り組んでいます。やはり、嫌々仕事をこなすのと、前向きに取り組むのでは、大きな違いがありますね。
私自身も勇気付けられたエントリーでした。ありがとうございました。
投稿情報: 苗村屋 | 2009年2 月 7日 (土) 12:12