せっかく新しい会社を作るのだから、「いい保険」を作りたいと思っている。それでは、「いい保険」って、具体的にどういうものをいうのだろう?
まず、「いい金融商品」は、以下で規定されると考える:
① パフォーマンスがいい(リスク調整後の利回りがいい、など)
② 手数料が安い(投信の販売手数料、運用手数料を考えると分かりやすい。トータルの利回りに、ボディーブローのように効いてくる)
③ 税務上有利
④ リスク/リターン、入れたお金/返ってくるお金のバランスが自分のニーズに合っている
生命保険について言うと、
① パフォーマンス:保険金/給付金支払など、サービスの確実性と早さ
② 手数料が安い: 販売コスト、事務コストが低い方がいい
③ 税務:生保には控除がある
④ バランス:支払う保険料と、もらうべき保険金のバランスのよさ
たとえば、毎月3000円払って(=年間3万6千円)、5分の1の確率で10万円もらえるものよりも、毎 月300円払って、500分の1の確率で100万円もらえる保険の方が、多くの人にとっては「保険」が果たす機能としてはバランスがよいのでは?もちろん、給付対象 によりますが。
そもそも、すべての保険は確率論で値付けされているので、「お得な保険」というのは基本的には存在しない。①と②と③は大前提だとすると、結局、「よい保険」とは、それぞれのお客さまにとって、「支払う保険料」と「保障される範囲」のバランスが、ちょうどいいもの、ではないか。
新しい保険商品の開発とは、②のバランスをどのようにして取るかと(販売コストにどれだけかけるか、どれだけ保険料の引き下げとしてお客さまに還元するか)、④について、いかに多くの人の琴線に響くような「保険料/給付対象」の商品設計をできるか、ということに尽きるように思う。
※なお、上記は純粋に商品についての考察であり、販売チャネルや(信用度を含む)企業ブランド、付随サービス、などその他の観点は捨象した。
いつも楽しく拝見しています。
鋭い切り口、面白い視点が勉強になります。
私は前職で損害保険の支払い(自動車以外の分野)を担当していましたが、まさに、「いい商品」が必要だと感じていました。とにかく、わかりにくい・・・。
自分で買った商品の価値をわからずにお金をいただくなんて、普通の商売じゃありえませんよね。
で、「いい商品」の要件ですが、
挙げられている点に加えて、私自身痛感したのは「わかりやすさ」です。
ネットライフでもこの点は重視されていると思いますが、思いがけず、多くの消費者は、保険の仕組みを勉強する機会がありません。
是非、わかりやすさを追求しつつ、保険の啓蒙もやっていただけるとありがたいなと思います。
影ながら応援しています!
投稿情報: 元損保マン | 2008年3 月12日 (水) 11:55