米大統領選のアイオワ州党員集会でのオバマ氏の勝利をみて、マーケティングのvalue proposition と伝えるべきメッセージについて考えさせられた。
あくまで結果論にすぎないが、米国市民の多くは"change"=変革を求めている。長引くイラク戦争の行き詰まり感と、国際社会において尊敬されなくなり、嫌われるようになったこと、そしてサブプライムによる景気悪化への恐れなどから、今の現状からの脱却を求めているのだろう。
これに対して、ヒラリー・クリントン氏はオバマ氏への対抗メッセージを意識して、「誰が大統領になる実績と経験があるのか」ということを論点にしようとした。「私は長年政治にかかわってきた」ということをメッセージにしたが、これによってクリントン氏は自身を「既存勢力」と同一視されるようになり、およそ「変革」からは遠い存在となる。
アイオワ州の選挙以降は、メッセージを微妙に変えて、「私は長年、政治における『変革』を推進してきた実績と経験がある」という風に話しているが、これは本質的に求められているものを取り違えているのではないか。市民は、「ベテラン政治家」を求めているわけではないのだ。
マーケティングでも同様に、同じ商品であっても、どの機能をどのように伝えるかによって、消費者の心を揺さぶることができるか否かが決まる。クリっとしたメッセージを結晶化し、それをきちんと伝えることができるかどうか。
ビジネスでも政治でも、マーケティングの本質は変わらない。そんなことを、考えさせられたのでした。
あと、「変革」をもとめる状況は、わが国の生命保険業界にも、似ているところがあるのでしょうか?
ヒラリークリントン、ニューハンプシャー州では逆転してましたね!
> タクィさん、ヨウスケさん、AKさん、
いずれも、胸に刺さるお言葉でした。肝に銘じて頑張りたいと思いますので、引き続きのアドバイスと応援、よろしくお願いいたします!
投稿情報: Daisuke | 2008年1 月14日 (月) 17:07
FedExは新技術を使わずに流通革命を起こしました。ネット生保も他の金融商品と同様にネット上で革命を起こして欲しいです。
ですが「変革」の熱加減を見極めることが大切な気がします。
「0.5歩先を歩くのがよいのか、3歩先がよいのか。
「それとも靴を代えるのがよいのか。
はたまた歩くルートを変えたほうがよいのか。」
生保という商品のプロモーションは宣伝はダメ。ニッセイの谷川俊太郎さんポエムが好例ですね。消費者は「宣伝でしょ」と感じた途端、サービスへのロイヤリティが一旦、低下します。
急拡大しようとすればするほどブランディングは逆行するジレンマの解消プロセスについて興味深く見守って生きたいと思います^-^
投稿情報: タクィ | 2008年1 月 8日 (火) 14:06
いつも楽しく拝見させて頂いております。
たしかに「変革」は大切ですようね。消費者の潜在的なニーズにマッチした場合には驚異的な需要を創出することが出来るのではと考えます。そのためには、あらゆる業界でマーケティングミックスを考える余地はまだまだあるのではと思いました。貴殿が関わっている生命保険業界もしかり、ネット対応というニーズは当然高いと思われます。ただし、「安全性」という概念は未来永劫不変なのでしょうね。
投稿情報: ヨウスケ | 2008年1 月 8日 (火) 09:21
生命保険に対して変革を求める意識は、今はまだ大衆の中では潜在的なニーズで存在している感じがします。御社も本格的に営業を開始してから「卑屈でない謙虚さ」と、「奢りでない自信・大胆さ」をもって努力し顧客基盤を作ることで、これらの潜在的なニーズを掘り起こせると思いますし、他生保会社との大きな差別化が図れるのではないかと思います。
個人的には将来は大手金融機関がネット生保会社と提携し、顧客をネット生保に誘導をしていくことになるのではないでしょうか。
応援してます。
投稿情報: AK | 2008年1 月 7日 (月) 22:36