本日の夕方、サンフランシスコより帰国。機内では、これまで「難しくて分からないよ~」と避けてきた保険数理のモデル(といっても、もちろん簡易版だが)にどっぷりはまり、「結構面白いじゃん」と、何時間ものあいだ、その「秘密」を解明しようと、ずっとエクセルに向かっていた。保険会社の経営を理解するには、数理的な部分を理論としてだけでなく、自分で手を動かして数字をいじくることで、肌で体感することがいかに大切か、気がつかされた。
そして、このように何時間も数理モデルの解明に没頭できたのも、機内という密室に何時間もロックアップされていたから。社内や家にいると、どうしても「今やっておかなければならないこと」が無数にあるような気がして、一つのことに長時間集中することが難しくなる。オフィスを離れて出張にでかけることの効用に、「長時間、集中できる時間を確保できる」ということがあろう。
また、現場から物理的にも精神的にも離れて、一歩引いて自分たちがやっていることを俯瞰することによって、ビジネスにとって本質的に重要だが最近になってすっかり忘れていたことや、中長期的な事業のあり方など、日常ではなかなか頭が回らないことが気がつき、時間を使うことができた。これもまた、日常の喧騒から少し離れたことによってはじめて得られた。
更に、異国の地で、当社の事業についてあまり知識がない方々とディスカッションをし、まったく新鮮な視点からさまざまな疑問、ビジネスにとっての課題を指摘してもらった。なかには、「ドキッ」「ギクッ」とするような質問も多々あり、こうやって時折、まっさらな第三者的な視点によるsanity checkを行うことで、より多岐にわたってリスクや課題を認識し、それに対して解決策を見出そうとすることで、全体的な事業の手堅さが増すきっかけとなる。
当分の間は海外出張をする機会はそうないし、また社内向けの仕事が中心の人にとっては、なかなか出張する機会はないのかも知れない。それでも、たまにでいいので、何らかの形で上記のような時間を作ってあげることで、一人ひとりの視野が広がり、生産性が高まるのではないか。そんな気付きを与えてくれた、米国出張でした。
日ごろ忙しいと、なかなか、出張する機会は作れないですよね。「急がば周れ」で、また行ってきたいと思います!
> 共済のSATOさん、
メイルを入れておきました!
投稿情報: Daisuke | 2007年11 月16日 (金) 22:58
はじめまして。
1週間前に某雑誌で岩瀬さんを知り、ブログ拝見させていただいてます。
私は約6年共済の仕事をしておりました。常に感じていたことは、やはり『簡単な保険(共済)を!』ということでした。“万一の場合ってどういう意味?”や“特約って?”などなど一般的な言葉程、お客様は分からないというのがしばしば。。
ネットライフ企画の理念にとても興味があります。岩瀬さんとお話しする機会があればと願っております。
宜しくお願いします。
投稿情報: SATO | 2007年11 月15日 (木) 17:39
同感です。少し前のエントリーでおっしゃっていた「離見」をする良い機会になるというこですね。ただ僕は機内でお酒を飲むとすぐ眠りに落ちてしまいます...(飲まなきゃいいのですが。)
投稿情報: ryota | 2007年11 月15日 (木) 15:05
いつも楽しみに読ませてもらっています。ご趣旨まったく同感です。特に飛行機の中で物事を考えるというのは私も好きで、たまにそのためだけに飛行機に乗ったりします(こら)。飛行機の中で携帯で会話できるようにするという謀略があるようですが、そういうことを考える悪党には天誅を下したい気分です。
投稿情報: 害債 | 2007年11 月15日 (木) 12:35