先日、さわかみ投信の澤上社長とお会いする機会に恵まれた。「普通の人を対象に、手数料を安く、シンプルだが高品質な金融商品を提供する」という経営理念は当社も目指すところであり、立ち上げから今日に至るまでのお話を伺うことができて、大変示唆に富んでいた。
学びはいくつもあったのだが、もっとも印象に残っているのは「とびっきりよい商品を提供することができれば、営業しなくとも売れる」という考え。澤上社長をはじめとした同社の方々は全国津々浦々でセミナーの講師をやられているが、これもあくまで先方の依頼に基づいて長期運用について語るものであり、一切会社・商品の宣伝は行っていないとのこと。マーケティングに時間を使うのではなく、運用に100%集中することこそがお客様のためになる、という姿勢を貫かれている。そして、講演を引き受けているのも、「正しい長期投資の考え方」を啓蒙するためであり、それに徹している。
どれだけよいものを作っても、世間に知られなければ売れない。したがって、つい営業を一所懸命やりたくなってしまう。しかし、顧客が本当に望んでいるのはファンドマネージャーが資金集めに労力を費やすことではないはずだ。競合他社が積極的な宣伝活動をやっている中、情報に埋もれてしまっている顧客が求めている「信頼」と「高品質」について熟慮した末に、「運用に徹して、最高のパフォーマンスを上げる。マーケティングに経営資源を使わない。ダイレクトに届けることで、低コストを実現する」という理念を徹底して守られていることに、大いに感銘を受けた。
当社についていえば、商品の特性上、一切募集活動を行わないというわけにはいかないのだが、マーケティング活動をやる際には、これまでの保険会社とは違ったアプローチをしなければならないこと、そしてその基礎にあるべき考えは、「とびっきりいい保険商品サービスを提供する。当社の宣伝よりも、正しい保険の考え方を世に広めることを優先する」ということにあり、誘惑に負けることなく、辛抱強く正しいことをやり続けることが不可欠であることを、改めて痛感したミーティングだった。
澤上社長、貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!
Ksukeさん、
>選びやすい(=比較しやすい)商品が正しい商品で
>費用対効果が高い商品が良い商品
まったく同感です!「正しい」「良い」商品作りを目指して、頑張ります!
投稿情報: Daisuke | 2007年9 月 7日 (金) 21:16
いつも楽しく拝見させていただき、ありがとうございます。
私も保険会社に対しては変わって欲しいと常々不満を持っていましたので、ネットライフさんにはとても期待しております。恥ずかしげも無く、持論を開陳させていただきますと
現状の問題は、契約者側は将来のCF計画を立て、リスクに備えるという意識が希薄、
保険会社側は、そのような契約者を啓蒙することなしに、自社商品を、自社に都合よくハメコム姿勢に終始しているところ、
だと私は思っています。
簡単に導かれる対策は、
契約者が賢くなる(=啓蒙する)
保険会社は賢い契約者が選びやすい商品を用意する
に尽きると思います。
言葉遊びかもしれませんが
選びやすい(=比較しやすい)商品が正しい商品で
費用対効果が高い商品が良い商品
だと私は思いますよ。
投稿情報: Ksuke | 2007年9 月 6日 (木) 22:33
>通りすがりの外資生保さん、
いつも応援メッセージ、ありがとうございます!今度、本名で登場してくださいね~(笑) 「すべての人に適した画一的な商品」というものはないでしょうが、「まだ意外と普及していない、生保の基本的な考え方」というのを説明することには、十分な価値があると考えています。
> kenyaさん、
澤上さん、とても素敵な方ですよねぇ。宣伝しなくても口コミで広がるような会社を目指したいと思います。
投稿情報: Daisuke | 2007年8 月31日 (金) 07:38
こんばんは。
>「とびっきりいい保険商品サービスを提供する。当社の宣伝よりも、正しい保険の考え方を世に広めることを優先する」
「とびっきりいい保険商品」とはどのような商品でしょうか?
「正しい保険の考え方」とはどんなものでしょうか?
事業費の削減はもちろん顧客にメリットを提供すると思います。(ちなみに僕の事業費は安いほうとはいえない 笑)
保障の細分化もきっと顧客に対してメリットを提供するでしょう。ただ、それはシステムへの付加などと直結するようにも思え、ランニングコストの上昇に繋がる気もします。
「正しい保険の考え方」って・・・うーん。。。
不確実なことに対してコストを支払ってもらうので何が正しいのかいつも真剣に悩んでます。
それでも答えはでないです。
多分、いくら被保険者の属性を分析、カテゴライズしたところで、汎用的な答えは存在しないと思います。
言葉尻の揚げ足を取るつもりはないのですが、「正しい保険」なんて陳腐な表現は岩瀬さん(ネットライフさん)はしないほうがいいと思います。
生意気言ってすみません。
外野から応援の意味を込めて。
投稿情報: 通りすがりの外資生保 | 2007年8 月31日 (金) 00:32
妻が仕事の関係でお世話になっていたことがあり、今から10年ほど前のことですが僕も直接お会いしてお話する機会がありました。
ちょうどさわかみファンドを立ち上げる直前の頃で、長期運用の醍醐味等をお聞きし、それがきっかけで株式運用を始めたのでした。色々と研究した結果、さわかみファンドのポリシーにも感銘し、自分の資産を信じて託す決心も。顔が見える商品だからこそ安心してお任せできるのだと思います。
翻って、本業の傍らで手がけている社内SNSも営業は一切していませんが毎週のように様々な企業やメディアの方々が訪ねてらっしゃいます。本当に良い商品・サービスは営業しなくても口コミで広がっていくということを実感しています。
投稿情報: Kenya | 2007年8 月30日 (木) 22:14