留学ブログを始めた動機、喋るのと同じくらい上手に書けるようになりたかったから。実は、その前は文章を書いた経験がほとんどなかった。日記の類は、文字通り三日以上続いたことがなかったし、大学は卒論がなかったので長い文章を書く機会がなかった(なお、司法試験の「論文」は制限時間以内に問題に対する解答を書くものであり、むしろ「論述」の類のもの)。留学が決まった2004年1月、当時流行り始めたウェブログなるものを書いてみたが、そのときはショートエッセイ一本で終わった。
留学ブログは、当初は友人・親族向けの近況報告に過ぎなかった。授業が始まってからは、自分の備忘録代わり。それが友人の間で好評で口コミで広がり、ライブドア事件について書いてからはより広い人たちに読まれるようになった。読んでくれている人がいることと、留学の成果を形にしなければという動機がいい意味でのプレッシャーになり、更新しない日が続くとなんだか悪いことをしているかのような気持になるようになった。
当初はどの程度時間をかけて書いていたのか覚えていないが、毎日書いていると、当然少しずつ上手くなっていった。下書きなどはほとんどしないまま、キーボードを打ち続けることで、そこそこ流れがよい文章を書けるようになった。今では、短い原稿であれば(ネタさえあれば)ほとんど苦もなくサラサラ書ける気がする(あくまで気がするだけ)。他方で、ブログでは実際に起こっていること、やっていることのほんの一部しか書けないから、フラストレーションがたまることもある。
いずれにせよ、書くことで文書の形で発信することは、とても大切なビジネススキルだと思う。記録を残して、他の人に自分が考えていることを説得的に伝えられるか否かで、仕事の成果も大きく変わってこよう。またブログなどの普及により誰にも平等に、発信を通じて影響力を持つことが可能になっていることも素晴らしいことだと思う。一ビジネスパーソンとして、このような「武器」を手にすることが可能なのであれば、誰しもその武器を自分らしく研ぎ澄ませて使うための訓練を行うべきではないか。
そのための最大のポイントは、エッジがある内容を書けるか否かではないか。つれづれなる毎日の雑感を書いているだけでは、なかなか人に読んでもらう文章にするのは難しい。それはちょっとしたユーモアのセンスや文才かも知れない。もっとも、これらはなかなか努力しても身につかない場合もあるので、また別の作戦も考えておく必要がある。それは自分だけが持ちうる足で稼いだ情報、現場感かも知れないし、何らかの情報格差を活用したアービトラージ(裁定取引)かも知れないし、単純に発信している人が少ないニッチな分野において先駆けて発信することかも知れない(書きながら、「投資ファンドは眠らない」はまさにそうじゃん、と思ってしまった)。
当社の社員ブログについては何度か紹介しているが、「顔が見える会社」を実践するために必須であると考えただけではなく、一人一人が積極的に文章によって多くの人に自分の言葉、メッセージを伝える訓練することが不可欠である、と自分自身の経験から痛感したことが、この企画をはじめた大切な理由だったりする。一人一人、書くに連れて、読者の関心を
ひく、それでいてテンポのよい文章が書けるようになってきているのが、とても嬉しかったりする。
僕も自分自信の声をより多くの人に聞いてもらう大切な手段として、今後も書き続けていきたいと思う。
もう金曜日?信じられない。Have a great long weekend!
(おまけ~記念すべきブログデビュー作 2日続きませんでしたが)
前職(米系ベンチャーキャピタル)の社長と久々に食事をした。彼はハワイで悠々自適の生活を送りつつ、新しい事業を手がけているという。
彼によると、米国でも、今後幼児向けの教育ビジネス(いわゆる「お受験」ビジネス)が大きくなりそうであり、幼児向け教育の先進国である韓国のコンテンツ をベースに米国における事業展開の準備を進めているとのこと。既に新会社を設立し、2名を雇ってコンテンツ作成を行なっているそうだ。
今回の投資の背景にある事業機会に関する読みも面白かったが、それ以上にエグジットの可能性に関する話が示唆に富んでいた。
彼が聞いた話では、最近ある企業家が使い捨て安価型の電動歯ブラシ事業を立ち上げて、始めてからわずか18ヶ月で、消費財大手P&Gに、約400億円で売却したそうだ。
この話がディテールにおいて真実かどうかはわからないが、一つ言えることは、米国では現在投資資金がだぶついており、売り手が強い市場になっており、いくらかスマートな事業アイデアを実現することが出来れば、いい値段でエグジットできることである。
日本でもプライベートエクイティのみならず、一般の銀行融資でもよい融資先がなく、全般的に資金がだぶついている。国内系のファンドや証券会社の自己勘定 投資により、ダンピングに近いバリュエーションに基づく投資が実行されており、米国型のディサプリンある投資家からすると、「場が荒らされている」状況に ある。
しかし逆に考えれば、かかる市場環境下の中で、大きな利益をあげるとすれば、むしろ事業を作り出し、売却をもくろむ、売り手側にいる方がよいのではないだろうか。
ベンチャーへの資金供給と、成熟した事業への投資を狙うPE・融資とは若干違うものの、目から鱗が落ちる話ではあった。
いつも楽しく読んでいます。規模は違いますが、南アフリカのマイクロ・ファイナンス(保険)でも、成功するには、相手が「見えること」と、「信頼できること」の大事です。
「顔が見える保険会社」の成功をみて見たいです。いつもながら、ブログの参考にさせてもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/euro-envi/20070720
投稿情報: euro-envi | 2007年7 月21日 (土) 06:59
初めまして。
いつも拝見しています。
僕もBlogを書いているのですが、
Blogで文章を書く姿勢について、まさにそうだなぁと思っています。
投稿情報: comr | 2007年7 月14日 (土) 11:48