■ 序章
それは、第六感なのか、虫の知らせなのか。久々に7時前に出社。やらなければならないことはたくさんあったはずなのに、なぜだかここのところ全くフォローしていなかったスティールパートナーズ対ブルドッグに関連する一連のブログエントリーを読み漁る。これで、日経ビジネスの記事書けるかなぁ。読んでいるとキリがないので、8時過ぎにはあきらめて本業に取りかかることに。理解したようで、なかなか理解できない。
■ 突然の電話
午前中はマネックスユニバーシティのインタビュー。お昼は社長の出口とともに採用候補者と。その後、重要な外出を一つすましてオフィスに戻ってくる。PCに向かって仕事をしていると、電話が鳴る。お相手は、先日とある会合で名刺交換した日経CNBCのキャスターの方。突然ですが、今晩スティール対ブルドッグについて取り上げるので、ゲスト出演してもらえませんか?えーーー。ためらいつつも、珍しいナマ出演の機会なので、有難くお受けする。
(追記)
「ワタシでは役不足ですが」と謙遜したつもりになっていると、電話を切った瞬間、隣に座っている風紀委員のT氏に、「日本語の使い方間違ってますよ!」と指摘される。(「役不足」解説ページご参照。ありがちな誤用。)
■ 一夜漬けならぬ二時間漬け
パラパラと記事は読んだものの、一部のアルファブロガー(特に法律家の方々)のように真剣に判決文を読んで分析していたわけではないので、急いであちらこちらで情報収集。高裁判決はまだ公開していないようなので、懇意にしている新聞記者の方に送って頂く。あとは、こことかこことかこことかこことか、必死に勉強。あとは、WSJやFTの記事もチェック。しかし、ブログ時代の情報収集は実に楽になったものだ。
■ ガラにもなく緊張
雨で天気も悪いので、早めにオフィスを出て約束の21時の30分前には到着。何を話すか、整理してきれていなかったのだが、事前の打ち合わせで、「買収防衛策の適否を必要性と相当性で判断する」といった技術的な法律論の話をするのではなく、ビッグピクチャーで分かりやすく話す方がいいなぁと気がつき、高裁判決の話よりももっとざっくりした話をすることに決める。レギュラーコメンテーターのイェスパー・コール氏は実に気さくな方で、事前の打ち合わせで緊張が取れる。
■ バランスの取れた見方をしよう
あっという間に約9分間のコーナーがスタート。メインキャスターの谷本さんは上手にしきってくれる。生放送ははじめてだから、上手に話せないよぅ。それでも、全然緊張しない自分をちょっと褒めてあげたい。ちょうど週末に髪を切っててよかった。ネクタイが地味?
何とか話したことは、我々は投資ファンドが悪玉と決め付けるのではなく、バランスの取れた見方をする必要がある。短期中期的な転売による利益を上げることは、すべての資本市場参加者がやっていることではないか。また、メーンバンクが株式持合いを解消した今、経営者へ資本効率を高める経営をするよう規律を迫ることができるのは、機関投資家や投資ファンドではないか。といったこと。
本当は、「現経営陣に経営を任せることが本当に企業価値向上に資するのか」「個人株主の立場からは、今こそが売り時だったのではないか」などと言いたかったが、そこまで上手にお話できませんでした。
■ 反省会?
いま反省会が終わりましたが、すごくよかったですよぉ というメールを谷本さんに頂いて、ほっとひと安心。テレビは露出効果が大きいので、またチャンスがあるかなぁ。帰宅して、アジの刺身と白ワインでほっと一息つく。
追加になりますが、、、
スティールのリヒテンシュタイン代表には「ブルドックソースが日本市場でしかビジネスをしていないのなら、世界の家庭に行き届くような手伝いをしたい」との強い思いがありました。
これってどことなく岩瀬さんが本で紹介していた”ギリシャの漁師と投資銀行家”の話に通じるものがありますよね。
でもブルドックはワーク・ライフ・バランスを考える必要のある個人ではないことから、トップである池田社長はスティールの提案ををうまく利用して会社の再生を図る手もあったのではないかと思います。
最後に小さな記事ですが、10日の日経16面に米カーライル傘下にあったキトー(工場用クレーン大手)が4年ぶりの株式公開をするというニュースがありました。思わず「よかったね」と言いたくなりました。
投稿情報: Buchimika | 2007年7 月11日 (水) 10:41
From Munich, Germany
おはようございます。そしてはじめまして。「ハーバードMBA留学記」を年初に読んで以来、本サイトを楽しく読んでいます。
こちらドイツではCNBCEuropeを毎晩欠かさず見ていますが、日経CNBCに岩瀬さんも登場とは、そして谷本ちゃん(同じ米国MBA校卒)がお相手とは、これまた驚き!!(Webにはいつ掲載されるのですか?)
スティール・パートナーズVSブルドックソースの件ですが、まったく岩瀬さんと同感。
池田社長はウォーレン・リヒテンシュタインに”ソースが何からできているか”を聞いたみたいですが、ブランド放置、無策経営、時代錯誤、まるでNHKの”ハゲタカ”に出てきた玩具会社の女性社長を彷彿とさせる経営者と私には写ります。
(現在の株価も12%下落とマーケットはNOサイン)
東京高裁による「濫用的買収者」認定についても、何もそこまでしなくても。
それでなくても蚊帳の外にある今の日本市場に対してある程度の変化に期待をよせる外人機関投資家が、今後投資意欲を後退させることを非常に危惧しております。日本は政治のみならず経済も”寝ぼけた状態”に戻っていると感じるのは私だけでしょうか。
投稿情報: Buchimika | 2007年7 月11日 (水) 10:10