昨日は業群連絡事項が多くて失念していたのですが、日経ビジネスオンラインの連載「投資ファンドは眠らない」に、最新記事「彼らの意見は、中立なのか~議決権行使アドバイザーの素顔」がアップされました。
バイアウトファンドやヘッジファンドのネタが続いていたので、ちょっと違うことを書きたいなぁと思っていたところだったので、最近の議決権闘争などで話題に出ることが多い"ISS (Institutional Shareholder Services)" を取り上げてみました。
留学中にS&PやMoody'sなど格付け会社に関するケースを取り扱ったことがあり、一民間企業に過ぎない彼らが、いつからか半ば公共的な任務を担うようになり、一国の政府に大きな影響力を振るっている、にもかかわらず彼らにはほとんど規制が働いていない、そんな実態をどう理解すべきか、というのがテーマ。「米国の利害の代弁者に過ぎないのではないか」という批判が非米国人からもあがり、議論が白熱したのが印象に残っています。
同様に、世界の約2割の議決権行使に影響を及ぼすという議決権行使アドバイザー。もともとは年金基金などの調査代行会社的な位置づけに過ぎず、本当に形式的・事務的な要件に基づいた評価を下していただけなのに(例えば、社外取締役が過半数いるか?ということは、特に知的な作業ではなくデータ収集に過ぎない)、いつの間にか、ここ一番の局面でキャスティングボードを握ったり、あるいは企業経営者に対して「あるべき経営の姿」を指南せんとする役割を担うようになっている。
なんかおかしいんじゃないの?と思って調べてみたら、ISS も買収ファンド傘下でガンガン経営をやってきたということがわかりました。だから悪い、というわけではないのですが、少なくとも彼らは非営利・中立的な存在ではない、ということを分かった上で、彼らの意見を聞く必要があることを指摘したかったわけです。
そんなわけで、まずは一読ください。Enjoy!
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