HBSで学んだ「アントレプレナーシップ」の定義は、
pursuit of opportunity beyond resource currently controlled
つまり、いま手元にあるリソース(ヒト、カネ、モノ)に縛られることなく、ひたすら オポチュニティ=事業機会 から考えて、それに向かって必要なリソースを集めていく、という考え方をするもの。
ベンチャーの事業計画を考えようとすると、ついつい自分が持っているものに制約されがちだが、それを一切取っ払って、ゼロベースで考える(つまり、「いくらカネを使ってもいいし、どんなヒト・モノも連れてこれるとして、何が作れるか!」という出発点で考えること)ことで初めて、本当に大きなオポチュニティを追求することができるし、大きな事業が作れるのではないか。
今回の我々の会社も、まず「世の中に新しい生命保険会社が必要とされているのではないか」という事業機会の認識に始まり、「最高の生命保険会社を作るためには、どのようなメンバーで、いくらくらい資本があればできるか」という風に考えてきた。
ヒトについては、必要な専門知識・経験などを書き出して、妥協することなく実績のある、いい人材を説得して参加しようとしてもらっている。当然、こういう人は現職で活躍している人たちなので、そこを辞めてもらって、ベンチャーに来てもらうというのは、簡単なものではなく、何度も何度も説得をする必要がある。
カネについては、かなりの資本が必要となるのだが、お金を集めることそれ自体が目的ではないので、「当初の株主構成では何が足りないか」ということを考えて、「足りないものを補うためにはどういう顔ぶれが望ましいか」と考え、その通り動いた。
まだ途上だが、このような考え方に基づいて、新しい会社を作っている。昨日の「人材募集」のエントリーについて、「ポテンシャルがすべてのベンチャーなのに、実績・経験を要求するなんて、おかしいのではないか」というコメントがあったので、どこに考え方の違いがあるのだろうかと考えた際に、そもそも会社の作り方のフィロソフィーにおいて違うのだな、と気がついて、書いてみたわけだ。思うに、事業性自体が未知のものである以上、自分たちがコントロールが効く要素(そのもっとも大きいのは採用)については、未知の要素やリスクを最低限に抑えるべきではないか?
はじめまして、岩瀬さん。
毎日ブログを楽しみに読ませていただいています。
僕は、保険代理店業(来店型店舗)を営んでいる者です。(岩瀬さんとは同年代です)
岩瀬さんのネットライフ企画を知ってからというもの、秋にどう出てくるのかワクワクしながら待っています。
当然、僕の仕事の保険代理店業という形態も、今後ますます変革を求められて来ますし、少なからず岩瀬さんのやろうとしていることの影響を受けるに違いありません。もしくは、保険代理店自体の成り立ちが、数年後には不要になってくるのかもしれません。
ただ、向かう方向が、お客様(利用者)にとってプラスになっていくのであれば歓迎すべきことだと思っていますし、その強いエネルギーは止めようがないものと確信しています。
私事で恐縮ですが、僕自身も、利用者にとってプラスになるための代理店業を模索しながらやっているのですが、うまく時代の波を掴んで、なんとか乗っていくことが出来たらと、日々格闘しています。
・・・難しいですが。
長くなりましたが、これからの活躍を、本当に期待しています。
投稿情報: sap0220 | 2007年3 月16日 (金) 18:34
俺は高いよ!
投稿情報: 六本木あらいのHG | 2007年3 月16日 (金) 01:17
『ビジョナリーカンパニー2』だったと思いますが、「誰をバスに乗せるか」が重要だ、ということが書かれていたかと思います。
上記HBSのアントレプレナーシップの定義とはやや異なるというか、「どちらが先か」という疑問を持ちました。
おそらく止揚された解があるかと思いますが、ご意見を聞かせていただければ幸いです。
投稿情報: 風街ろまん | 2007年3 月15日 (木) 15:56
ベンチャーとは言え出資者から結果を求められてやっている以上、未知の要素やリスクは抑えるのは当然だと思います。それに実績や経験を問わないで募集しても、結局は実績・経験がある人が採用されるものです。ただベンチャーに実績・経験のある人を呼ぶには、お金だけではないと思いますが何かインセンティブがないと難しいのではないでしょうか?
投稿情報: ktsuka | 2007年3 月15日 (木) 15:34
ベンチャーでいい人材を集めるのは大変ですよね。私も以前ベンチャー系企業から声をかけられた時に、相手が自分に対して期待していることと自分のキャリアプランの方向性を比べてみて、大きなギャップがないかで悩みました。
ビジネスとして軌道に乗っている企業であれば、そこに行くことで自分のキャリアに何が足せるか見えますが、これからの企業であればどこまでリスクを許容できるかを含め考えることが多いですから説得は大変ですよね。
また「ポテンシャルがすべてのベンチャー」というのはあくまでも対象とする市場のことで、人材について実績、経験を重視というのは当然だと思います。ビジネスとして立ち上がっていないのに、ポテンシャルのある人を採用して育てるというのは現実的なオプションじゃないですね。
投稿情報: くまさん | 2007年3 月15日 (木) 11:42
私は渋谷でIT企業を経営しているのですが、やはり人は企業の要ですね。
投稿情報: richard | 2007年3 月15日 (木) 09:32
"first who .. then what"ですからね。(Good to Greatより)
人材をもとに会社は語られるべきで、いい人材が集まっている会社なら、それだけでいい人材を集められるのではないですかね。
実績だけで、会社は選ばないです。いい人が集まるといいですね。
投稿情報: hiko | 2007年3 月15日 (木) 07:57