今朝の新聞で、新たに生保の不払いが過去数年間で5千件にも達していたと報道されていた。今日明らかになった分は、三大疾病特約。例えば本人がガンであることを知らない場合、そもそもどうやってガン特約の保険金請求をしてもらうのか?考えてみれば当たり前なのだが、そんな商品構造上の問題があったことが要因となっていたそうだ。
これまで問題になった不払いの中には、「医師のチェックを受けないまま、担当者が支払う必要ないと判断して請求拒否した」というものもあるが、「そんな特約がついていたことに顧客のみならず、営業マンも気がついていなかった」というケースも多々あったようだ。この場合は、会社側には悪意がないのだが、結果的に支払がなされなかったことになる。
一番最後の例で疑問に思うのは、「そもそもお客さんも忘れるようなものが、最初から『必要』だったのか?」ということ。「あなたのニーズに決め細やかに対応した商品」というのだが、保険金請求の時点で忘れてしまうようなものは、最初から必要でなかったのでは・・・?
そもそも今のセイホの一番大きな課題は、「本人ですら何の商品に加入しているか、よく分からない」ということではないだろうか。
自動車保険は自分でちゃんと理解して選べるのに、なぜ生命保険はここまで複雑で、何度説明を聞いても分からないものなのだろう?私も加入前に外資系生保に加入していたのですが、何度説明を聞いても、理解できませんでした・・・
「死んじゃったら残された家族にお金が入るようにして欲しい」
「入院したら入院代払ってほしい」
そんな素朴な欲求が、いざ商品化されると、実に複雑な金融商品になってしまうのだなぁ。
また、「保険は一人一人によってニーズが大きく異なるので、プロのアドバイスが必要」というセールス文句が使われることがあるのだが、本当に我々は「生保」について細かい趣向があるのだろうか?車や洋服を選ぶように、いや、株や投資信託のような金融商品を選ぶように、「私にぴったり合ったのはこれ」というのがあるのだろうか?
「こんな私には、やっぱり3大疾病特約付き日額1.5万円(入院日数90日)の医療保険が付いている、死亡時3千万円(但し災害死亡時は5千万円)からスタートする逓減定期保険特約付終身保険が合ってるよなぁ~」
まだ答えが出た訳ではないけど、たまに疑問に思ってしまうわけです。
難しく考えずに、シンプルな商品さえあれば、ほとんどの人のニーズは充たされるのではないか。こんなに難しくしなければならないのだろうか?ド素人からこの業界を見てみると、そんな素朴な疑問を抱いてしまうのです。そんな雨の水曜の夜。
皆さん、貴重な意見をありがとうございます。色々と充たされていないニーズがあることが分かって、大変示唆に富んでいます。少しずつ、「新しい生保」のあり方を探って行きたいと考えています。このような意見、引き続きお待ちしていますね!
投稿情報: Daisuke | 2007年1 月23日 (火) 22:24
はじめまして、こんにちは。
いつも楽しく、考えさせていただいております。
生命保険について一言言わせてください!
私の父は、10年ほど前に交通事故に遭い、脳に障害を負い、一生社会復帰はできない状態になりました。
当時、父は、大手生命保険会社の団体保険に加入しておりましたが、保険会社の言うところの、「高度障害」に該当しないということで、保険が支払われませんでした。保険会社が決めた「高度障害」、とは、「指が3本ない」とか「足が1本ない」「自分の身の回りの世話ができない」などです。
私達が生命保険に求めるものは、生活の糧を得られない状態になった場合の救済
だと思うのですが、生命保険会社が決めた規定は、完全に的外れだと感じました。
その後、父は、後遺症による痴呆で病院生活を送っていますが、hikoさんのおっしゃるように生命保険ではなく、国の医療保障によって生活できています。そこで、一番強く必要だと感じることは、やはり「人間のサポート」でしょうか。家族に病人が出ると、今まで考えたことがないような難問が続出します。
保険料支払の規定に、被保険者が、「生活の糧を得られる状態かどうか」が含まれていて、家族の生活をサポートしてくれるようなサービスを提供してくれる保険があったら、多少保険料が高くても加入したいと思いますが、生命保険には、正直言って失望しています。
弱者を助けてくれる保険を作ってください!
投稿情報: mami | 2007年1 月22日 (月) 17:38
癌関係の掲示板(かなり深刻な状態で投稿してる場所ですが)ですら、複雑怪奇な保険商品について、まともな情報提供ができなかったセールスマンが悪いのではなく、自己責任であるとのたまう人が少なからずいらっしゃいます。いまだに、いざ支払いとなると詐欺無効だのなんだのと支払い拒否(その大半は営業マンに病歴を告げた上で契約をしたもの)をしているのが現状です。
http://www.gankeijiban.com/bbs/homo/index2.html#1
セイホ関係者の方がトボケテ書き込まれているのでしょうか?。
投稿情報: 家族が末期癌 | 2007年1 月18日 (木) 12:21
一応、医師としてコメントを
これって2つほど問題があると思うのですよね。
一つは、医療費のシステムを皆知らないこと、保険料、高額医療費の支給というシステム、差額ベッド代、それから、では、どんな病気になったときにお金がどれくらいかかるかという事をほとんどの人が知らないのでないでしょうか。当然、opportunity costもきちんと計算しなくていけないのですが、それを、一日1万円とか言う言葉で誤魔化しているのは少しへんですね。実際、何パーセントまで起こる事象を補償して欲しいのかにより、補償の値段は大きく変わると思います。実は、日本の医療制度の中では、意外と保険はなくても生活できてしまうのですよね。最終的には生活保護をうけながらICUに入院して一日10万円のベッドを借りている人もいっぱいいます。
一つは、人は必ず死ぬということ、死ぬ前には多くの人が病気になって病院で死にます。そういう風に考えると、普通の確立統計の計算ではなく、100%人は死ぬわけで、死ぬ直前にはいずれかの形で医療を受診します。なので、この病気が何%とか言う話ではなくて、どのように死んでいくかの話をしなくてはいけないのですが、そういう話がリアリティを持たないのだと思います。
私自身としては一番大変なのはむしろ、家族に病人ができたときです。特に痴呆などの病気が大変です。やっぱり、一人で介護をするのは大変で、ヘルパーさんが必要で、こうなると、最低限度の生活をするのも、本当に大変なのです。年をとった夫婦で夫の介護ができなくなって妻が苦しむことなど多いと思います。
自分のことよりも、家族が自分のことで困らないか。そういう需要が多いのでは無いでしょうか。死んだ後いくら残したいというよりは、死ぬ前に迷惑をかけたくない。痴呆とかに対しての補償、若しくは、サービスはすごく大事だと思います。
医療機関も家族を含めてどういうサポートをしていくかをサービスパックにして売り出していく時代はくるべきだと思いますがね。
つまり、本人の計算だけをすればいいのではないところが怖いです。それで、不安になって、あればあるほうがいいという考えになってしまうのでしょうかね。
投稿情報: hiko | 2007年1 月18日 (木) 01:43
はじめまして。
世界のどこにいても病院にかかった費用を完全にカバーするというハイエンドな商品を期待します。
投稿情報: yuji | 2007年1 月17日 (水) 23:23
はじめまして。
毎日楽しく拝見させてもらってます。
難しくしてるのは、金融商品同様、お客さんに分かってもらったら(オイシイ)商売にならないからなんでしょうね。
多くの人が薄々感じているように、恐怖を煽り、どんどん難しくして、よく分からない安心を買わせる・・悪く言えばですが。
実際に商品が出来るのを楽しみに待ってます。
投稿情報: tomo | 2007年1 月17日 (水) 20:53