最近の朝のNHK子供番組(3Ch)は歌舞伎や義太夫節、狂言などを取り入れて、かなりレベルが高くなっており、大人が見ても楽しいことは以前にも触れたが、これに対して、英語番組があまりにポイントを外しすぎていると個人的に思うので、一言言わせて頂く。
これは、朝から音楽に合わせて "what do you say, what do you say, this is what you say♪"というジャパニーズイングリッシュの歌ではじまり、"I'm hungry!"とか "apple!" "orange" とか、単純な文章や単語をゆっくり語って覚えさせようとするものであるが、この番組が対象とする未就学時に対して、これらの単語を覚えさせてもさして効果はさしてないと考える。単語を10、20、50覚えたところで、それはすぐに忘れてしまうかも知れないし、もう少し年を取ってからでもすぐにキャッチアップできる。
番組を見て色々と考えていると、学生時代に読んだ、蓮實重彦「反=日本語論」を思い出した。曰く、ある日、妻の母国語であるフランス語の幼稚園に通う息子が「マロニエの樹の下で」という詩を暗唱してきて、この短くも韻を踏みながらテンポよく流れる言葉に合わせて、身振り手振り付きで動作を示した、とのことである。
そう、この年齢の子供に施すべき言語教育は、こういうものなのである。子供は単語単位や文の単位で認識しない。流れる一つの音として、認識するのである。だとすれば大事なのは、人工的に短くぶった切り、おとなに分かりやすくゆっくり発音をしたものでなく、ネイティブと同じ音で心地よく流れる名文を浴びせるように聴かせて、そのリズムを体に身につけることなのである。意味も分からず、子供はその音節を口に出して唱えるようになるだろう。そうしておけば、もう少し年を経てから語学を学ぶ時に、すっと入ってきやすいはずである。
自分自身の体験で言うと、7歳で英国に渡ったが、毎朝聞いていた朝のお祈りを、半年くらいしたら、意味をまったく分からずに、最初から最後まで言えるようになっていた(正確には音を再現できるようになっていた)。また。もうすぐ4歳になる息子がゴーオンジャーのテーマソングを歌っているときも、言葉の意味も分からないまま、ずっと歌ってるのである。
というわけで、もしご関係者のお知り合いがいらっしゃったら、上記の考えをお伝え頂ければと思います。
Dr. Seussはどうでしょう?
(悪く言うと)奇妙な絵と、不思議なリズムが子供に受ける気がします。
我が子(20か月)もまだ語彙は少ないものの、あのリズム感が好きな模様。。
読み聞かせる私もリズムに乗るとあっという間に読み終えてしまいます。
まるでちょっとした歌を歌ったかみたいに。
投稿情報: 晴蘭 | 2009年4 月14日 (火) 15:37
ということは折衷案として、部分的にマザーグースなどを取り入れたり、英語童謡(ロンドン橋落ちたetc)を歌いましょうのコーナーを作るのはどうでしょうか。
投稿情報: GKT | 2009年4 月14日 (火) 14:39
このブログもそうだけど、岩瀬さんのブログは
1:ルーズ⇔10:タイトのメーターを横軸に置いた場合、
「7」を狙っているなぁと感じます。
どどんぱさんの意見は8とか9ですね。
こういった8~10の意見ってものすごく
貴重だと思うのですが、それを引き出そうと
ご自身が敢えて「7」に立っていらっしゃる。
(マネジメントの立場ではそのポジションがベストだと個人的には思います)
投稿情報: タクィ | 2009年4 月14日 (火) 13:43
うーんそうですかね、日本人の大人のはしくれとして、少し違う感覚を持っていたんです。あくまで個人的感想ですが。
あれは「幼児向け=低レベル、または初歩」という感覚で、あの時間帯にお母さんたちが一緒に見てますよね。お母さんは、子供たちに再現を求められた時に自分が再現できないものを教えられるのは抵抗があるような気が(「あんぱんまんの絵本読んで!!」と毎日せがまれるのと同じ感覚)。。
その点、単語単位なら、とりあえずそれっぽく真似できそう(教育上は明らかに違うわけですが)、っていうか、どういう手順で説明すれば番組と同内容になるのかはお母さんたちも理解できそう、ということじゃないかな。
また、お母さんたちも、自分自身が英語があまりできなかった教訓から、単語単位でやっている番組なら一緒に勉強する気持にもなるし。英語でしゃべらないと、っていう番組が最近終わっちゃいましたが、あれもこういう作りの延長だったような気が(パックン英検)。。
マーケティング的に子供番組の効果を最大にするためのポイントは、「親に必要経費をきちんと払わせろ」「親ごと巻き込んで、家庭に教育環境を整備させろ」の気もするので、「親が付いていけるレベルにしよう」と意図的にセーブしている気配を、なんだか感じるんです。
現に、かつては帰国子女のタレント(早見優とか久保純子とか)を起用して、異様に高速で完璧な発音の(おそらくセサミストリートの完コピもどき)幼児番組をやっていましたが(今でもCSとかでほそぼそとやってるんじゃないかな?)数年前にNHKが路線変更したような気がします。アニメ画像や人形パペットの雰囲気・タッチとかとともに。
投稿情報: どどんぱ | 2009年4 月14日 (火) 11:19
僕も小さい頃に海外にいたので実感としてあるのですが、確かに意味がわかっていなくても音を再現していました。
しかも「意味」ではなく「音」を再現するのでその精度はすさまじく高いと思います。
帰国子女と呼ばれる人達の発音が綺麗なのは幼稚園とはいかないまでも比較的幼少期に現地の生の音を浴びるほど聞くからのなのだと思ってます。
投稿情報: 青いヤツ | 2009年4 月14日 (火) 10:01
僕も小さい子供がいて毎日NHKを見ています。全くのAgreeなので、ぜひ改善願いたいとこですね。日本語であそぼはかなりおもしろい☆
投稿情報: トモ | 2009年4 月14日 (火) 09:41