ライフネット生命、開業前の投資家プレゼン風景:
【岩瀬(テキパキ早口、MBA風に)】
新しい生命保険事業は、三つの理由から大きなポテンシャルを持っています:
① 大きな、大きな市場。年間保険料収入は40兆円を超す(かんぽ、共済含む)。
② 大きな、大きな矛盾。国際的に見た過剰保障と2~3倍で高止まりしている保険料。みな、「何かおかしい」と気付いている。
③ 大きな、変革の波。販売チャネルの多様化、付加保険料の弾力化、銀行窓版の解禁、かんぽの民営化、業界再編の気運?これから業界が大きく変わろうとする中、新しい社会的価値が創造される可能性。
【出口(ゆったり、宗教家風に)】
世の中には、「自助」「公序」「共助」がある。「格差社会」と言われているように、「自助」には限界がある。他方で、政府の財政状態を見ると、「公序」もいつまで頼りにできるか分からない。
だからこそ、助け合いであり、生命保険が果たす「共助」が改めて、大切になってきている。しかし、保険金不払い問題などに象徴されるように、生命保険業界はいつからか、おかしくなってしまった。
ぼくは、「共助」の仕組みを蘇らせたい。
歴史を紐解くと、いつの時代も、世の中の進歩の原動力となってきたのは周辺・へき地からの侵入であり、異質の競争である。新規参入によって刺激を与えることで、業界は活性化し、よりよい姿に生まれ変わることができる。
ぼくは、新しい生命保険会社を作る。「保険の原点」に立ち返って、理想の保険会社を作る。
それが、僕を35年育ててくれた、生命保険業界への恩返しだと思うんです。
(社長TVの動画でも同じ内容を語ってます。「新しい時代の保険会社」のタブをクリック)
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ロジックとパッションは両方とも不可欠な、車の両輪である。それでも多くの人は、「理」よりも「情」、ないし「共感」によって心を動かされ、それが行動を促し、変革をもたらすのではないか。
開業前のビジネスプランだけの時点で、かつベンチャー起業の実績もない我々が132億円もの資本を出資頂けたのは、最初にバックアップしてくださった有力株主の高い信用と、時の運が大半を占めたことは間違いない。これに加えて、「決め手」となったのは、事業のポテンシャルと、出口の熱い思いだったと考えている。
熱い思いだけでは人を動かせないかもしれないが、熱い思いがなければ、大きく何かを生み出すことはできない。
以上、「超凡思考」1-8、「夢を語ろう。熱い思いが、人を動かす」の補足です。
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