付加保険料の開示について、本ブログの常連である「通りすがりの外資系生保」さんからもコメントをもらったので、彼らのコンサルティングサービス料がいくらか、いくつか前提条件を置いて試算してみました。
(disclaimer: あくまで仮の前提条件を置いた試算ですので、皆様の保険選びの際には、必ずご自身で試算をしてみてください!)
当社はシンプルな定期保険しかないので、同じものを探したところ、A社のホームページに「平準定期保険(無配当)、35歳・男性・5000万円・20年」の保険料例が載っていたので、これが彼らが想定する典型的な顧客像ということで、比較をしてみよう。ちなみに、B社はホームページには保険料が載っていなかったので、電話をして教えてもらいました。
【平準定期保険(無配当)】
被保険者 35歳 男性
保険金額 5,000万円
保険期間 20年
保険料払込期間 20年
月払保険料
- A社: 15,550円
- B社: 16,350円
- LN: 11,890円(純保険料9,607円(81%)、付加保険料2,283円(19%))
ライフネットも含めて、結構高いんですねぇ。なぜこれくらいになるかは、別エントリーを立てて説明します。
さて、他社の保険料の内訳は分からないのですが、各社ともアクチュアリー会が作成した「標準生命表2007」を基礎にしているため、それほど大きな差はないはず(差があるとしても、それは自社の経験データを使って死亡率などをもっと低く設定しているケースになるので、付加保険料はむしろ高くなる)。
そこで、あくまで仮の前提ですが、純保険料を当社と同じ水準だとします。すると、各社の保険料内訳は以下の通りになる:
月払保険料
- A社: 15,550円(純保険料9,607円(62%)、付加保険料5,943円(38%))
- B社: 16,350円(純保険料9,607円(59%)、付加保険料6,743円(41%))
- LN: 11,890円(純保険料9,607円(81%)、付加保険料2,283円(19%))
LNの付加保険料を、営業職員なしで保険会社を運営するために必要な水準と仮定すると、これとの差が営業職員にかかる費用、顧客からみるとコンサルティングなどのサービスの対価となる。
LNとの差(月額)
- A社: 3,660円
- B社: 4,460円
これはあくまでも月額なので、年間の支払額、さらには保険期間中(20年)で考えると・・・
- A社: 43,920円(年額)、878,400円(20年)
- B社: 53,520円(年額)、1,070,400円(20年)
A社は88万円、B社は107万円也。
やはり、高品質で高付加価値なコンサルティングサービスには、相応の対価がかかるのですね。私も留学前、B社の保険に4年くらい入っていましたので、そのときのライフプランナーの方の加入時のコンサルティングと、その後の1年に1回の「どうですか、その後?」という契約後サービスも、よく覚えています。
カタカナ生保のコンサルティングサービスが素晴らしいものであることは疑いませんが、いま実際に加入している人のすべての人がこれほどの「相談料」を払っていると理解した上で入っているのかどうかについては、自信がありません。少なくとも自分は、認識していませんでしたし、認識していたら、加入するかどうか、少し戸惑ってしまったかも。
あれ?そういえば、カタカナじゃない生保って、もっと高くなかったっけ?
どうだろう。コンサルティング重視のところで13000円くらいで準備できるところもあるし、別のやり方をすると12000円くらいでも組めるよ。
高い所と比べるのはどうだろう?
あと、保険料からじゃなく、実際にそれなりのレベルの保険コンサルタントが行っているサービス(加入時のコンサルタントやアフターフォロー)はいくらの価値があると思います?
そのあたり、いくらが適正なのかが議論されないまま削っていくだけでは、保険会社も外交員も疲弊するだけだと思います。
保険にふさわしいサービスとは何なのか?それにはいくらかけられていいのか?それをネットで代替することは可能なのか?(ライフネットさんの保険の比較ポイントの内容は適正でないと思う)ということを検討しないと、片手落ちでは?
投稿情報: リノ | 2008年12 月30日 (火) 20:47
素朴な質問で恐縮です・・・。
何故、付加保険料が、金額、年代によって御社ではこんなに差があるのでしょうか。
大手生保の場合、変動費的な、代理店への手数料が発生することを考えますと差がつくことにたいして説明が可能です。
ですが、御社は代理店を持ちませんから、金額、年代が異なっても付加保険料に大差は出ないと考えられる気がしたのですが。
何故なのでしょうか。将来的には、ココで価格競争が起きるのかな。
投稿情報: 高槻 | 2008年12 月16日 (火) 22:38
純保険料って「当社と同じ水準だと」仮定出来ない程保険会社によって違うのですか(計算方法に差があるのですか)?
投稿情報: passer-by | 2008年12 月15日 (月) 06:44
はじめまして、いつもブログ拝見しております。今日は少しブログ内容に違和感を感じましたので、簡単ではございますが、コメントさせて頂きます。
あまり深く考えていないコメントで大変恐縮ですが、感じた違和感は、少し性急に追い詰めすぎではないか?というものです。原価開示というだけで相当のインパクトが生まれるのは間違いありませんので、他社のコメントに対して、更に正論で切り返してしまうと、いずれ大きなひずみが発生してしまう気がします。マーケティング効果とのバランスだとは思いますので思慮浅い私にはわかりかねますが、読んだ瞬間に感じましたので、大変恐縮ですがコメントさせていただきました。今後とも応援しておりますのでぜひがんばってください。
投稿情報: Anonymity | 2008年12 月14日 (日) 17:08
岩瀬さん、こんばんは。
ありがとうございます・・・かな?^^;
でも、保険談義は好きだし、個人的にはおもしろいのでやはりありがとうございます・・・
ですね。ただ、
>あくまで仮の前提ですが、純保険料を当社と同じ水準だとします。
は、岩瀬さんらしくない仮定で、下にコメントしたKさんの言う通りでもっとシンプルな話だと思います。付加保険料は不要で、保険料の比較で良いでしょう。
たぶん、付加保険料にしないと医療保険の説明がつかないのですかね。。。??
それから、ご存じだと思いますがそもそもカタカナや乗合代理店の連中は20年定期はあまり使わないのですよね。。。今と20年後に同じ死亡保障が必要な人は少ないと思いますので。
そういった意味では、仮にネットで加入し20年放置の人と減額を繰り返す(あるいは逓減型、収入保障型で準備する)ということによるコストダウンの知恵を与えられた人との差も計算しないとフェアではないかもしれません。(御社の保険が減額可能ならそれがベストソリューションかも??)
ちなみに御社の死亡保険の商品自体の価格がコンペティティブなのは全くその通りで異論はありません(医療保険は別ですが)。
また、コミッションの開示は欧州の例をとってもやはり時代の流れかもしれませんね。
ただ、御社のポジションとしては別に他社の付加保険料が高いことを強調するのではなく、マーケットに分かりやすい訴えかけをしつつ、市場を取り込む仕組みを作っていけばよいのじゃないかなと感じた次第です。過激に書きたいマスコミはともかく業法はそれを求めていますしね。
ちなみに御社が逓減型の定期を出したらけっこう面白いと思っていますが、いかがでしょう^^
投稿情報: 通りすがりの外資生保 | 2008年12 月13日 (土) 02:41
月4千円前後変わる(可能性がある)というのは見直しの強いインセンティブになりますねぇ。人様のブログで大きなお世話ですが、最初に大きな文字で結論が書いてあると,その後を読見やすいかなと思いました。
自分が今何の保険に入ってるのかすらよくわかっていないのが実情なんですが,携帯は見直しを頻繁にするのに保険は月々それ以上かかっているのに注意が払われないのは,毎月の請求書がないからか。。これも保険会社の仕掛けのひとつ?
投稿情報: tomo | 2008年12 月13日 (土) 00:03
上の『コンサルティングなどのサービスの対価』の計算には純保険料と付加保険料の内訳は必要ありません。
内訳がどうあれ、契約内容や支払査定等が同じなら、結局のところ契約者のコスト負担の違いは保険料の違いです。
投稿情報: K | 2008年12 月12日 (金) 15:33