先のエントリー「カタカナ生保の相談料」で、「35歳男性・保険金額5000万円・保険期間20年」という条件で保険料を見てみたら、比較的安いはずの当社でも11,890円、うち純保険料が9,607円となっている。
そこで、なぜこのような数字になるのかを、カンタンに説明してみよう。
前提となる死亡率の数字については、各社ともアクチュアリー会が出している「標準生命表2007」を基礎にしている。これによると、35歳から54歳までの20年間の死亡数と生存数(0歳を10万人として、以後の死亡を考慮した生存者の数)は以下の通り:
年齢 | 死亡数 | 生存数 |
35 | 103 | 97,979 |
36 | 110 | 97,876 |
37 | 116 | 97,766 |
38 | 125 | 97,650 |
39 | 134 | 97,525 |
40 | 144 | 97,391 |
41 | 157 | 97,247 |
42 | 171 | 97,090 |
43 | 186 | 96,919 |
44 | 204 | 96,733 |
45 | 223 | 96,529 |
46 | 245 | 96,306 |
47 | 266 | 96,061 |
48 | 291 | 95,795 |
49 | 318 | 95,504 |
50 | 347 | 95,186 |
51 | 380 | 94,839 |
52 | 416 | 94,459 |
53 | 451 | 94,043 |
54 | 489 | 93,592 |
合計 | 4,876 | 1,926,490 |
死亡数÷生存数 | 0.253% |
合計すると、この20年間で4,876人が亡くなり、その間の延べ生存者数が192万6,490人。割り算すると、0.253%。
これは例えば、高校の同級生が学年400名いて、35歳から20年間、毎年の同窓会の通知とともに、平均して1人の悲しいニュースを聞くことになる、ということと同じ意味合いである。
死亡一件につき保険金額5,000万円を延べ生存者数が負担することになるので、一人あたりの年間保険料は
5,000万円 × 0.253% = 126,251円
年間12万円強だから、月額約1万円。なるほど。
実際にはこの数字に予定利率という運用による効果を入れるので、その分保険料は下がり、他方で解約返戻金なしの場合、解約率も考慮するので、その分保険料が下がる。その他、保険料免除の分の保険料など、色々細かい調整がなされる。が、大きな考え方としては上の通り。
ウェブで色々な方が書かれているが、正確な付加保険料を開示したのはライフネット生命がはじめてだが、標準生命表が公開されているので、上記程度の「ざっくり」な試算は、別にこれまでできたんですよね。それがニュースになってしまうところが、この業界の凄さ。
意味ありげな余白にヤバイ数字でも隠れているのかと思って一生懸命反転させてしまいました。
投稿情報: nignigi | 2008年12 月19日 (金) 17:41
>標準生命表が公開されているので、上記程度の「ざっくり」な試算は、別にこれまでできた
でも「標準生命表」の存在も一般の人では知らないものではないでしょうか。だから、わかりやすく「保険の原価」として出してもらったことで、広く一般の人に知られるようになって、専門家ではない買い手が、以前より主体的に考えられるようになるのではと思います。
「保険の原価」の計算方法がわかっておもしろかったです。
投稿情報: haru | 2008年12 月15日 (月) 20:31
それでも御社はやっぱり安いです。
投稿情報: AK | 2008年12 月13日 (土) 00:42
いつもブログ拝見&応援しております。
値段だけならもっと安い医療保険があるなどの一部ネットで出てきております。
可能であれば反論等してもらえると心強いです。
http://dkcblog.blogspot.com/2008/08/blog-post_13.html
投稿情報: kunkun137 | 2008年12 月12日 (金) 21:31
>標準生命表が公開されているので、上記程度の「ざっくり」な試算は、別にこれまでできたんですよね。それがニュースになってしまうところが、この業界の凄さ。
その通りですね!
いっそのこと簡易生命表、国民表やら、経験表(裁断表・総合表・選択表・終局表)など全部上記の表の様に年齢別・性別に開示して、純保険料の算出の仕方ガイドブックなんてのを出しちゃって、それにライフネットは、付加保険料○○円貰いますので、売値は○○円です。っていうのが消費者にとってはありがたいですね!
投稿情報: sugiyamahayato | 2008年12 月12日 (金) 16:00