土曜の夕方、高校の卒業生によるベンチャー経営者の会合というのがあって、行ってきた。上は50代の大先輩から、下は大学生までいろいろなメンバーがいて、なかなか楽しかったのだが、ひとつ面白いなぁと思ったのがオンライン英会話のこの会社。
フィリピンの一流大学の在校生・卒業生を講師に雇って、スカイプを使ってウェブ経由で激安のオンライン英会話レッスンを提供する、というもの。衝撃の価格は、「毎日25分プラン」で月額5,000円。仮に毎日利用したとすると、25分129円の低価格だ。
もちろん、実際にはそこまで頻繁に利用する人はいないだろうから実勢価格はもっと上がるのだろう。また、講師がどの程度研修を受けているかは定かではないし、いかんせんフィリピンのウェブインフラ事情も必ずしもよくないので、品質が高いとはいいづらい。
しかし、顧客の中には「そこそこのクオリティのものを、圧倒的に安い価格で使いたい」というニーズはあるはず。上手に使いこなせさえすれば、結構有効なレッスン手法になるかもしれない、と思った。
個人的には、子どもに英語力をきちんと身につけてもらいたいものの、普通の英会話スクールでは高すぎるので、もうちょっと大きくなったら、毎日25分を129円でやらせてみたいものだ。
同社はこの価格で本当に持続可能か、これから試行錯誤だろうし、とにかく多くの顧客に知ってもらうこと、実際に使ってもらうことなど、チャレンジは尽きない(ひとのこと言えませんが・・・)。
しかし、誰もが思いつくビジネスモデルを着実にサービスの形に仕上げている、という点では評価すべきだし、これから何かのブレイクスルーがあれば、期待できるモデルだと思った。何より、自分自身が一顧客として使ってみたい、って思いましたし、ね。
なんだか、ネット生保と共通点が少なくないモデルだな、とも思いました。
純粋に英語コミュニケーション能力の向上のみを目的として、英会話学校に通っている人は、それほど多くないような気もします。大半の人の目的はエンターテイメント?な感じがします。講師に圧倒的にホワイトが多いのはそれが理由でしょうか?
でも仕事等で英語コミュニケーション能力を身につけねば!と思っているようなストイックな人にとってはありがたいサービスですね。
投稿情報: ごんべ | 2008年9 月24日 (水) 22:09
<お試しあれ>
・無料外国語レッスン: www.bbc.co.uk/languagesにアクセスすれば、無料で初級フランス語、ドイツ語、スペイン語などを受講できる。
・無料で宿泊: CouchSurfing.com、HomeExchange.comなどのサイトは、無料で宿泊できる場所をおしえてくれる。
投稿情報: snowbees | 2008年9 月 4日 (木) 16:54
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
>誰もが思いつくビジネスモデルを着実にサービスの形に仕上げている、という点では評価すべきだし、
たしかに誰でも思いつきますよねー
私はINSEAD卒業生なのですが、最近全く同じビジネスモデルでINSEAD alumが事業を立ち上げました。
マイナーな言語含めて学べる言語の数が多いのが特徴で、今トライアル期間中ですが(たしか50分5ユーロ)、本サービスでは50分で15ユーロくらいしたような・・・
なので、25分129円は安い! です。
新規顧客のAcquisition costもRetention costも高そうなビジネスモデルですが(顧客にとってのSwitching costは実に安い)。
今後の展開に注目ですね。
投稿情報: la dolce vita | 2008年9 月 4日 (木) 13:39
激安! 値下げ! 値下げ断行! 「何と響きの良い詞だろう… ゾクゾクしてしまうワッ!」
中国やロシア等の経済発展で、石油や鉄や農作物といった地球資源の需要が急激に高まり、その価格が上昇している。しかし、これを安易に製品価格に転嫁すれば、インフレを招き、国民生活が崩壊してしまう。既にその兆候が現れ、全然景気が良くならないのに、物価ばかりが上がっている。
そんな中、事前に高いチケットを買ったのに駅前留学が出来なくなった人たちにとって、紹介されている「激安英会話」は朗報ですね!(『ペンは剣より強し高校』出身者には、貴方以外にも凄い人が沢山いるのですね)
今こそ、優秀な経営者達は、生産性の向上や合理化、さらには経営体質の改善等に努力して、地球の資源の需要の高まりによる物価高を、何が何でも食い止めてほしいと思います!
売り手は、『原価計算や難しい数理計算があって、それにチョチョッと儲けを附加して、売値を決める』のでしょうが、消費者は『買えるか、買えないか』で判断するわけで、結局『価格は、消費者が決める。』ものなのかも知れないと思いました。
「A社が105円、我が社が120円…、だったら104円に値下げしろ!」じゃなくて、「お客さんがいくらなら、もっと買ってくれるか?」を考えて、値下げしてほしいですね! でも「激安!」って良い詞だよな~
投稿情報: sugiyamahayato | 2008年9 月 3日 (水) 08:52
こんにちは。
いつも勉強になるブログ、楽しく拝見させていただいています。
今回の記事にある、「激安英会話」というのははじめて知りました。
「英会話学校」というと、すでに日本中に乱立していて、市場としては成熟しきっているイメージをもっていました。
しかし、そこに価格で勝負を仕掛けているという点がすごく興味深いと思いました。
フィリピンに着目している点も、「なるほどなぁー」と納得してしまいました。
「IT」と「グローバリゼーション」を利用して、「価格」を武器にして市場に勝負を挑んでいるこのビジネスはまだまだ学ぶべきヒントがたくさん隠されているように感じています。
僕自身、このサービスを利用するようになるかもしれません。笑
有益な情報、ありがとうございました。
岩瀬さん活躍、またブログ等期待しています。
投稿情報: 寅 | 2008年9 月 2日 (火) 16:19
私の妻もスカイプを使って格安英会話というのを熱心にやっております。最近は「ネット」というものがひとつの大きなツールとなって、物品の販売だけでなくサービス業においても人件費をメインとしたコスト競争力がきくところは次第に新興国に仕事がシフトしていってる感じがします。しかし、この逆に、これまで国内に限られていた市場が、ネットを経由して世界市場にアクセスできるようになると考えると、ネットサービスはまだまだ拡大する余地が出てくるのではと思います。ライフネット社のようなサービスはドメスティックなネット生保でおわるのではなく日本の次は、アメリカの保険市場や、アジア圏の保険市場を見据えての展開も、将来的にはおもしろいのではないかと思います。
投稿情報: とある32歳 | 2008年9 月 2日 (火) 09:20