ちょっと遅れてですが、今年のバフェットの「株主への手紙」より:
Insurance float - money we temporarily hold in our insurance operations that does not belong to us - funds $59 billion of our investments. This float is "free" as long as insurance underwriting breaks even, meaning that the premiums we receive equal the losses and expenses we incur. Of course, insurance underwriting is volatile, swinging erratically between profits and losses.
Over our entire history, however, we've been profitable, and I expect we will average breakeven results or better in the future. I we do that, our investments can be viewed as an unencumbered source of value for Berkshire shareholders.
(ふぅ。書き写すの、ちょっと疲れた・・・)
【訳】
保険の "float" --- 保険事業のなかで一時的に保有するお金で、我々に属しない負債性のもの --- が、われわれの590億ドルの投資資金を供給している。この float は、保険の引き受け事業が赤字でない限り、つまり「受け取る保険料=支払う保険金+発生する費用」である限りは、"free"、コストゼロの資金となる。もちろん、保険の引き受け事業というのは浮き沈みが激しいものであり、利益と損失のあいだを不規則に行き来する。もっとも、当社の歴史上、保険の引き受けは常に黒字できており、これからも、少なくとも収支トントンか、それよりもよい結果は出せると考えている。それさえできれば、我々の投資はバークシャーの株主の皆さんにとっては、コスト負担ゼロの、価値の源泉となる。
これが、資金の調達と使途、資本コストと価値創出という観点から見た際の、保険業の本質である。
バークシャーの場合は主たる事業は損保と再保であるため、生保のように超長期で潤沢な資金がたまるわけではない。他方で、金利の変動によって大幅に負債の価値がぶれるような契約をしているわけではないので、ALM(資産と負債の管理)に慎重になりすぎることなく、株式や為替でリスクの高い投資を行ってこれたのでしょうか。
ちなみに、バークシャーの上記の過去5年の「引き受け事業の損益」は、以下の通り。収支トントンどころか、カトリーナで大損害が出た2005年以降は、逆にリスクの供給が絞り込まれ、保険料が高く取れるようになったため、さらに収益が伸びていることがわかる。
2003 $1,718 mil
2004 1,551
2005 53
2006 3,838
2007 3,374
「保険屋」バフェットも、やっぱり、すごい!
「テキスト選択ツール」(Tマークのボタン)を押せば、PDFでもコピペできるかと。。
投稿情報: SAKE | 2008年5 月 2日 (金) 00:03