ライフネット生命 副社長のブログ

The Seiho and I

金曜日の夜は業界紙の方にお招きを受け、私的な勉強会にて講師としてお話をする機会に恵まれた。生保のプロの方々を前にして何をお話すべきか、いささか緊張。冒頭に自己紹介を兼ねて、これまでの自分の生保とのかかわりをお話したのだが、それが忘れていたことを色々と思いだすきっかけとなった。

母方のおばあちゃんは、生保レディをやっていたことがあった。僕が生まれる1か月前に亡くなった祖父は、病気がちかつ遊び人であったため、ほとんど安定した仕事につくことがなく、代わって祖母がほとんど女手一人で母と母の姉を育てたそうだ。母からは、「おばあちゃん、本当に大変でかわいそうだった」ということを何度となく聞いたことがある。

自分が社会人になってからは、友人の紹介で元証券マンのコンサル系生保の営業の方に会い、毎月2万円の保険に入った。何度も説明を聞いたのだが、結局保障内容をよく理解できなかった。解約返戻金のシートは、一番左に運用利率が2%の場合が書いてあり、これに加えて3%の場合と5%の場合の数字が書いてあって、かなりお得そうに見えたのを覚えている。

留学するにあたってこの生保を解約し、アメリカに渡ると強制的に医療保険に加入された。二人分で年間40万円近い保険料を支払ったが、一度飲みすぎて救急車で運ばれて病院に行ったことと、妻の出産できっちり回収できた気がする。このときは何も考えずに、医療保険は「一定の自己負担額を超えた分はすべて支払ってくれるもの」と理解していた。日本の医療保険は、これに比べるとわかりにくい。

帰国して新たに生命保険会社を立ち上げるというプランを初めて聞いたときに思ったのは、「スケールが大きくて面白そう」というくらいで詳細は理解していなかったが、さすがに2年近くも準備をしているなかで、業法から保険数理まで、基本的なことは一通り人に説明できるようになった。

というわけで、気がつかなかったのだが、ネットライフ前にも、それなりに生命保険とはかかわりがあったみたい。その中で感じていた一連の疑問が、今回の立ち上げの原動力となっているのだろう。外の方にお話しする過程で、そんなことに気がついた。

金曜分をアップするのが土曜の夜になってしまいましたが、皆さまよい週末をお過ごしください！

にど出勤

「にど寝」をすることはよくあるが、「にど出勤」をすることはなかなかない。今日は、たまたま夕方、自宅の近所でミーティングがあり、30分早く終了。夕食を食べに自宅に立ち寄ったのちに、オフィスに戻ってきた。

【にど出勤のメリット】
・　ご飯は（会社界隈で夜食と比べて）美味しく健康的
・　子どもの顔を見て、一緒にご飯を食べられる
・　私服に着替えて気分はリフレッシュ
・　いつもとちょっと違うことをやっている非日常感
・　「ワーク・ライフ・バランス」を上手に保てているかの錯覚

【デメリット】
・　よっぽど自宅の近所でない限りは、どう考えても効率が悪い
・　家でくつろぎすぎると、家を出るのが億劫になる
・　朝と同じ経路で一日に二度も通勤する際のデジャヴ感（萎えます）
・　子どもが玄関で、「パパかいしゃいっちゃ　だめ～！」と泣き叫ぶのを振り切るのがつらい

子どもをお風呂に入れようかと思いましたが、今思えばアブナイところでした。そこまでやったら、寒い中、もう一度出かけようという意欲はかなり減退したに違いない。にど寝は気持ちいいけど、にど出勤は、うーん・・・　考えちゃいます

ダブルヘッダー

夜の予定は入れないようにしているのですが、今日は絶対に行かねば！という予定が2件重なったので、ダブルヘッダー。

最初は大経営者の方を囲む食事会。40年をかけて一大企業グループを作られたこの方は、目標とする経営者の一人。

「小さい企業であっても、世界情勢に目を向け、世の中がどのように変化しつつあるかを敏感に察知し、そこで常に自社の『立ち位置』を見直すべし」とのアドバイスを頂いた。足元すら固まっていないのに何を！と思ってしまいがちだが、グローバル企業をDay 1から目指そう！

遅くからは、マスコミの方々の私的な懇親会に参加。どのようにして、スクープ記事が作られていくのかを興味深く拝聴。また、最近世の中を騒がせている事件についての舞台裏話も。いつかは、当社もスクープしてもらえるくらいの会社になりたいものです。

帰宅してからブログをアップしようと思ったら、バタンQでした～。

ひざかけ

最近、ちょっと冷え性かも。人のひざかけを使ってみたら、かなり暖かくて快適。

溜池オフィスにいた頃は、同僚のTが生保レディにもらったというニッ●イのロゴ入りひざかけを、時折拝借していた。最近では、背後にあるMが持っているカラフルなフリース素材のものを頻繁に奪い、「返してください」と催促を受けていた。

だって、どこで買ったらいいか分からないんだもん。皆さん、分かります？「膝かけ」でグーグルしてみても、なかなかいいものが出てこない。

社内ブログで「どこで買うのですか～」と問いかけたら、優しいK姉が「ちょっと早いバレンタイン☆」と、グレーの膝かけをプレゼントしてくれた。これがすっかりお気に入りで、オフィス中、あちこちに持ち歩いている。

会議にまで持ちこんでいるので、「風邪引いてるの？」とよく聞かれる。男性はズボンをはいているのであまり意識しないことが多いのですが、やはり、下半身の防寒をきちんとすると、かなり全身が暖かく保たれるのですね。

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行政官の品格

金融庁付きの新聞記者の方に勧められて、「金融システムを考える～ひとつの行政現場から」（きんざい、大森泰人著）を読んだ。とっても面白くて、離さず電車の中、お風呂の中、仕事の合間に読み進めた。

そもそも過去10年間でわが国の金融システムがどのような変遷を遂げてきたか、という基本的な「歴史」についての勉強不足、また行政がどのように制度設計をしていくかについての無知があいまって、純粋に知識と理解を深めるために非常に役に立った。

加えて、金融システムという（アウトプットだけを見ると）無味乾燥なものにも、個人の強い思いや情熱やドラマが成立までにはたくさんあること、それに内在する複雑性に関する深い深い理解、公的な立場にありながら自らの（ときには物議を醸す）意見を世に積極的に発信していくその姿勢、そして一人のプロフェッショナルとしての世界観・価値観には、とにかく感銘を受けっぱなしだった。「大森氏のような行政官がたくさんいてくれればいいな」と思った。詳しい書評を、近々書けたらいいなーと思っている。

これに比べて、北畑事務次官の「デイトレーダーはバカで浮気で無責任だ」という発言には、呆れてものが言えない。マネックス松本社長も痛烈な批判のエントリーを書かれているが、私はこの発言が金融に関する根本的な理解の欠如と経済官庁トップである自身の発言の重みに関する認識の欠如を国内外の投資家にさらした点について、why?????と思っている。

さて、明日から3連休。オフィスで工事を行うので、週末出勤ができなそう。子どもとピアノを弾いて遊びたいと思います！子供は飽きっぽいので、10分くらいしか続かなそーですが。

Have a great weekend!

サイレント

そろそろピアノを子どもに習わせてあげたいな、でもうちはマンションだからご近所迷惑かも、そう思って、週末に電子ピアノを見に行った。10年くらい前に買ったのが実家においてあるのだが、あれから技術も進化したはずだから、きっとずっといいものがあるに違いない。

しかし、実際に見に行くと、うーん・・・やはり音もタッチも、ホンモノからはほど遠い。せっかくはじめてピアノをやるのだから、やはりピアノを触らせてあげたい。どうしよう。そう悩んでいたところに、「サイレントピアノ」という選択肢を知った。普通のピアノだが、音を消してヘッドホンで聴けるもの。

意外だったのは、最初からサイレント専用に作られたピアノだけではなく、普通のピアノにこの機能を後から取り付けられる、ということ。へぇ〜。パンフレットの絵によると、鍵盤の裏側で叩いて音が出るところにセンサーのようなものを取り付けるそうだ。

そこで、妻の実家にあったアップライトピアノを取り寄せて、サイレント機能の設置工事をやった。早速まずは消音にせずに真昼間から弾いてみて、お隣さんと1階下のご近所さんのところに「うるさいですか？」と確認しに行く。「全然聞こえなかったわよ」。なに〜。消音、いらなかった？！

それからサイレントモードで音を出して見る。ヘッドホンから聞こえてくる音は70点くらいだが、それでも夜でも気にせずにピアノが触れるのは嬉しい。昨夜は子どもが寝ている横で真っ暗の部屋で、ヘッドホンをつけてピアノをいじって、一人でニヤニヤしていました。技術って、すごいなぁ。

ちょっとうるさいあの人も、たまにはサイレントモードにできればいいのに？！いや、我社でもっともうるさいのは、ワタシです。

恋愛とタイミングと

「就職・転職は恋愛と極めて似ている」というのが持論なのですが、それはいずれも「縁ができるときはフィーリングとタイミングが大切、正解・不正解はない、お互いへの期待・関係性は絶えず変化する」ということが理由。

ベンチャーは資産は人しかないので、ネットライフの立ち上げの本当の感動秘話は、一人一人の出会いから入社を決めてもらうまでの、採用のストーリーのところにある。これまでも、何人もの仲間が偶然の出会いからお互い惚れ込み、入社に至っている。

今日は、以前からこの方とお仕事ができたら素晴らしいだろうな、でも絶対に無理だろうな、と思っていた方とカジュアルに会食。話をしていると、もしかしたら、タイミングが合うかも知れない、そう思って、おそるおそる、聞いてみた。

可能性が少しだけあるかも知れないという感触を得て、身震いがした。もちろん、恋愛と一緒なので、どうなるかは分かりませんけど、ね。

事業もまだはじめていないわれらがネットライフだが、一つだけ胸を張って言えるのは、最高の仲間が集まり、今もなお魅力的な人材を引き寄せることはできていること。最初から思い通りには行かないだろうけど、こんな仲間とともに全力でゴールに向かって走り続けることができれば、いつか必ず結果は出せるはず。それは、揺ぎ無い自信となっている。

生保バリュエーション

生命保険会社の価値はどのように算定すればいいか？以下、生保も相互会社ではなく株式会社であるという前提で話をする。

「普通」の会社であれば、例えば当年度の純利益に15倍～20倍といった倍率をかけた指標(PER)を概算値として使う。これは、将来に渡って生み出されるキャッシュフローを現在価値に割り引いたものと理解されている。

これに対して、生命保険会社のバリュエーションでは、PERといった指標は適していない。ある1年の売上と費用を見ても、正確に事業の収益性を反映していないからだ。

もう少し詳しく説明すると、ある時点でのお客さまは、将来、何10年にも渡って保険料を払い続けるという約束をしているので、すでに将来に渡っての売上／キャッシュフローは（ある程度）確定している。

これに対して、このお客さまに加入してもらうためにかかった費用は当年度にすでに発生しているので、
　・　売上＝将来に渡ってずっと発生
　・　費用＝1年で発生
というのを揃えずに単年度の損益だけをみても、エコノミクスを正確に捉えられないのだ。

そこで、保険会社のバリュエーションでよく使われているのが、embedded value という概念。これは、一つ一つの契約が将来にわたって生み出すキャッシュフローの現在価値を算出し、これに年度末に会社にある純資産を足したものである。保有している契約から生まれるキャッシュフローの総和に近い。

ただ、これだけではある一定の時点における契約価値の総和を求めたに過ぎず、むしろ解散価値に近い。実際は会社がゴーイングコンサーンとして事業を継続する限り、新契約が増えるに従ってembedded value自体が毎年増えていくことになる。

したがって、当年度の利益を何倍かするのではなく、当年度末のembedded valueを何倍かしなければならないわけだ。実際には、前年度から増加した分を、8-10倍して足すことが多いようだ。

こんな話を、ファイナンスに興味がある人以外にも理解してもらえるよう、もっと噛み砕いて説明したいと思ったのですが、、、難しいですかね～。だから、何？という風に思われてしまったでしょうか。生保の特殊性は、こんな場面でも出てくる、ということを言いたかったのかも知れません。

週末

土曜日は留学時代の仲間の結婚式で、三鷹のICUチャペルへ。はじめて訪れたのですが、海外の大学を彷彿させる緑豊かで々としたキャンパスで、空気もおいしく素敵な空間でした。

新郎新婦も含めて、知り合いで何人か同大学の卒業生を知っているのですが、いずれも個性あふれる人物で、このようなキャンパスがそういう人材を育むのかな、と勝手に想像してみたり。

披露宴はキャンパスから車で10分ほど移動したところにある、立派な日本庭園を持つ旧家を改築したレストラン。こじんまりとした一軒家で、親族と親しい友人だけを交えた、心温まるパーティでした。

夜はそのまま二次会の準備へ。留学仲間らとほとんど準備をしないまま、いくつもの出し物を迫真の演技力で演じ切り、留学の成果を久しぶりに感じました。あー、行ってよかった、MBA。

日曜日は、大雪だったので、家からはほとんど出られず。子どもと一緒に駅前にビデオを借りに行き、アンパンマンかドラえもんかウルトラマンのいずれか一本だけ選びなさいと、子どもの頃からトレードオフと選択を迫る教育を施し（結局ウルトラマンを選んでました）、一緒にビデオを見たりお昼寝したりして過ごしました。

楽しい週末でしたー。

半蔵門から全国制覇

数週間前、突然電話が鳴った（←電話はいつも突然鳴りますが・・・）。年末のテレビ出演を見て頂いてご連絡頂いた取材依頼なのだが、これが通常のメディアとはちょっと違う。麹町界隈に引っ越してきたブティック広告代理店が、近所のレストラン情報を扱ったクーポン誌を作ろうとしているとのことで、その取材依頼だった。

うちはレストランじゃないんですけど・・・と思ったのだが、「半蔵門～麹町にある面白い企業、ということで取り上げたい」とのこと。ちょうど、営業開始したら駅に「皆さんのご近所の生命保険会社です！」と駅に看板でも出そうか、と考えていたところだったので、喜んでお受けした。

先週、そのフリーペーパーが出来上がったのだが、まずランチマップ上に数々の飲食店と並んで「ネットライフ企画」と表記されているのが、不思議な感じ。誰か、間違ってお昼を食べにきちゃわないかなぁ。

また、テイストがカタめの媒体とは異なり、文体がかるーいのも楽しい：

「場所は麹町2丁目。世界的なミュージシャンであるU2やエンヤを輩出した音楽大国アイルランドの　　大使館の向かい、麹町NKビル5階にそのオフィスはあった。」（←U2とか、関係ないじゃん・・・）

「同じエリアで就労または居住する仲間として是非とも応援したいものである。・・・本誌はクーポン誌だが保険業法上、保険料割引のクーポンを付けられないのは残念である」（←つけない、っつうの）

（写真下の紹介文）「新ビジネスへの意気込みを熱く語ってくれた岩瀬さん。カレーパンについても熱く語れるとか。」

不思議なご縁でしたが、ビジネスでも「ご近所さん」「地元」を大切にしていきたいな、との想いを新たにした、とっても素敵な取材でした。麹町～半蔵門界隈の皆さん、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

Have a good weekend!