東洋経済の最新号特集記事「共済の正体」を興味深く読んだ。JA共済、都道府県民共済、全労済、CO・OP共済の4大共済と、いわゆる無認可共済についての大特集。
4大共済のうち3つは加入者数で日本生命を上回り、大きな力を持つに至っている。特に、県民共済は大躍進を続けており、昨年の新規加入件数は157万件。すごーい。
もちろん、これら制度共済が問題を抱えていないわけではない。将来の支払いに向けた準備金の積み立てが十分になされていないことや、保険会社なみのコンプライアンス体制が必ずしも整備されていないことはよく指摘されているし、本特集では「リスク耐久度」と「ガバナンス体制」という視点から、これらを良い面・悪い面の双方から評価している。
もっとも、彼らの問題点を指摘するのが本エントリーの目的ではない。共済の商品が完璧であるとは思わないが、生保が低迷するなかで県民共済がこれだけの大躍進を続けてきたのは、さまざまな面で多くのお客さまの琴線に触れる商品サービスを提供してきたからにほかならない。
まず、商品のシンプルさ。「年齢を問わず同じ保険料」というのは、若い人にとっては多い保険料を支払っているということで不利のように思うのだが、それでも他の選択肢と比べて安いということなのだろう。たとえば、「1000円型、2000円型、4000円型」。「いくらの保障?」よりも、「いくらの保険料?」で提案するのは、直感的にわかりやすい。
次に、高い割戻率。支払った保険料の35%近くを、年度末に戻している。うちの母も都民共済に入っており、「今年も戻ってきちゃったー。超おトクよ。大ちゃんも共済にすればいいのにー」と言っているので、口コミ効果を醸成する上ではかなり効果的のようだ。
そして、迅速な支払い。去年の日経ビジネスの特集によると、埼玉県民共済は毎朝8時に郵便局へ出向いて郵便を取りに行き、可能な限り即日支払いを目指すとのこと。そのために全員が一丸となって封筒を処理し、封筒の色を変えるなどの工夫をしている。
繰り返しになるが、彼らがやっていることが完璧だというつもりはない。シンプルすぎる商品は保障が十分なのか?との疑問はあるし、高い割戻率は、その分内部留保が少なくなっているし、迅速な支払いは、ややもすれば慎重な支払査定と相反するものである。
それでもなお、このような保険にとって「冬の時代」のさなかで、これほどまでに多くの人に支持され、強力なブランドを作り上げ、新規加入者を増やしてきた彼らの手法からは、保険会社は学ぶべきことはこと欠かさないのではないかと考える。
県民共済は生保とかとは違って,毎年リセットしている感じですからね.加入者から見れば,一年ごとに同じ保険に加入し直している感じでしょう.
共済の信用リスクなどがあると思いますが,それも最高1年分のリスクです.生保のように老後の保障分を前もって支払うというようなケースはないので,リスクも限定されています.
投稿情報: ガウス | 2008年4 月 5日 (土) 00:37
目指せ、共済の手頃さと保険会社の安定感!ということで、努力していきたいと思います。よろしくおねがいします!
投稿情報: Daisuke | 2007年11 月13日 (火) 20:28
はじめまして。週刊東洋経済の「共済の正体」について書かれているblogを検索して、こちらを拝見しました。
ネットライフ企画さんについては、今年3月の朝日新聞で拝見して記憶に残っていました。そのネットライフ企画の社員の方も県民共済に注目していたというのは、驚きよりも「言われてみれば当然か」と思えました。
御社のすばらしい理念がどのような形で結実するのか楽しみにしています。
投稿情報: ぶらっと | 2007年11 月 9日 (金) 22:25
こんばんは。ご指摘の通りで私も凄いと思います。新聞などのメディアで事故報道があると加入者がいないか調査して共済の方から連絡を入れるんですよ。
私はここにあげられた共済以外使っていませんが、この共済の品質を越えられたらおたくにお世話になろうと思ってます。頑張って下さい。
投稿情報: bun | 2007年11 月 9日 (金) 19:45
はじめまして。いつもブログを楽しく拝見させてもらってます。
今回の記事とは関係ないのですが、私も学生側としてBCFに参加します。10日のマネックス証券さんとの対話セミナーで、聴衆側ながらお目にかかれることを楽しみにしてます。
それでは、ボストンで。
投稿情報: ダブル | 2007年11 月 8日 (木) 16:59