昨日の夜遅く、駅のホームで、ばったり前の会社の同期に会った。彼に最後に会ったのはいつだか覚えていないが、6年ぶりかも知れない。表参道駅の半蔵門ホームの一番端っこという、誰も立っていないし降りないような場所で、電車を降りた僕が、乗ってきた彼に気がついて、乗りかけた電車からホームにおろして、次の電車が来るまでの間だけだが、話をした。
同期との再会というよくありそうな話にしては大げさに取り上げているのには、理由がある。ひとつは、この会社の同期は自分と彼ともう一人の3人しかいなかったこと。そして、彼とは入社してしばらく経ってから、仲があまり良くなくなり、それから話をしなくなっていたからだ。
彼は二枚目でかつ頭の切れ味もシャープで、皆も僕も一目置いていたのだが、入社してすぐの僕の無頓着な発言により、いつからか避けられるようになってしまった。大学院卒の彼は年齢が二つ上だったのだが、同期だと油断して気の利かない生意気な口を聞いていたことも、その要因だったのかも知れない。
三人しかいない同期だからこそ、いつか仲良くできたらいいなぁとずっと思っていたのだが、表面上会話を交わすことはあっても、親密な関係になることがないまま、僕も彼もほぼ同時期に会社を辞めてしまった。それ以来、他社の友人が「同期会」などで楽しそうに飲んでいるのをうらやましく見ながら、彼と「仲直り」することは、ずっとやり残したこと?気になること?のひとつとして、心のどこかに留まっていたのだった。
6年ぶりに会った彼は、最後に会ったときよりもずいぶんとふっくらしていて、家庭的な印象になっていた。一瞬、緊張したのだが、すぐに二人で会話が始まった。時間が遅かったこともあって、次の電車が来るまでの6~7分の間だけだったのだが、お互いの近況報告をして、家族のことなどを話した。
いつもは乗ることがない一番端っこの車両にたまたま乗った僕と、誰もいないホームの端っこで待っていた彼。本当に偶然だったのだろうが、これも何かのご縁なのだろうか。そう思って、お昼でも食べようよと、在籍中には誘ったことがなかった彼に、メイルを打つことにした。
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