日経ビジネスが主催したセミナーでの講演内容が、同社サイトにアップされました!
~ NBOnline 1周年記念セミナー
最初はファンドのネガティブな面を話そう、と思っていたのですが、先に登板された神谷秀樹さんが「ファンドはコワイんだぜ」といった口調でお話されていたので、聞きながらやや軌道修正することとして、「ファンドもふつーの人なんだよ」といったトーンでお話することにしました。
それにしてもリップルウッドを辞めて3年、帰国してからまもなく1年。僕の「投資ファンドネタ」も少しずつ「賞味期限」が切れつつあり、本業の「生命保険(の立ち上げ準備)」からは遠ざかりつつあるのですが、それでももうちょっとだけの間これをテーマに発信しようと思っているのは、一つはそれがまだ他の人があまり語らない内容であるがゆえにエッジになることと、これを通じて狭い意味での投資ファンドの話題のみならず、より広いテーマについてのメッセージを伝えていくことができる、と考えているからです。
素材は、何であってもいい。エッジのあるものをテーマにして、そこから話題を広げて自分が語りたいテーマについて語る。しかも、日経ビジネスオンラインといういい紙面にそのようなチャンスを頂いているので、できるだけ活かそうではないか、というわけです。
ところで、先日書いたTCIの記事については、「寄付なんてみんなしているではないか。何でお前はあえて同社の肩を持つんだ」といった内容のコメントを頂いたのですが、ちょっと理解が違う。記事の最後の方まできちんと読まれた方は分かったと思うのですが、寄付のスケールと、それを投資ファンドのvehicleにシステマティックに組み込んでいる点で、意気込み・気合がこれまでとはまったく異なる、ということで、同社が面白いと思ったのです。
バフェットはもはや生前贈与のようなものなので例外であるとして、欧米の投資家も、何千億ときちんと稼いだあとに、何十億寄付する、というスタイルを取っています。これに対してホーン氏は、自身の資産が150億円くらい(推定)なのに、すでに120億円も寄付している。しかも、この先もそれくらいの割合を寄付すると世界中に宣言しているわけです。自分の稼ぎの半分をリアルタイムで寄付していく、しかもそれを皆に宣言する、そんなことは自分はできないなぁ、と素直に感心しています。本当に、新しい時代の慈善・寄付×利潤行為の一つのモデルとして色々と考えさせられました。
僕はジャーナリストではなく一般人なので、特に「これを書かなければならない」というプレッシャーもなく、あるいは「これを書いてはいけない」という圧力も(もちろん日ごろお世話になっている方々に迷惑をかけないという一般常識レベル以外は)ないので、別にTCIにおべっかを使う必要はまったくない。ただ、話を聞いて、「言っていることはごもっともだ」ということと、「やっていることがすごいな」と思ったので、ネタとして取り上げたのですよ。
こんな言い訳がましいエントリーから始まってしまった月曜日ですが、今週も元気に明るく楽しく頑張りましょう!
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寄付をすると(先に与えると)必ず与えられる(戻ってくる)というのを聞いたことがあります。
スケールの大きさにやられてしまいます。
投稿情報: sugimoto | 2007年6 月29日 (金) 01:31
寄付をすると(先に与えると)必ず与えられる(戻ってくる)というのを聞いたことがあります。
スケールの大きさにやられてしまいます。
投稿情報: sugimoto | 2007年6 月29日 (金) 01:31
岩瀬様
初めてコメントさせていただだきます。
数ヶ月前にこのブログの存在を知り、それ以来楽しみに拝見させていただいております。
ホーン氏やファンドについての意見、私は岩瀬さんの考えに賛成です(客観的且つ冷静な意見だと思います)。先週新聞紙上でも記事が記載されておりましたが、どうも行間を読むと、お金を短期間で儲けるビジネス及び人に対して、マスコミ自体が否定的であると感じます(ある意味成功者に対して)。
一面だけでなく、社会活動全般として何をしているのかを報じることが、より客観的に評価するうえで重要だと思います。
日本人でもビジネスの成功者は、社会貢献活動も非常に積極的です(あまり報じられませんが)。例えばリクルート創業者の江副さんは奨学金制度を儲け、多くの学生を支援しておりました。マスコミ批判というわけではありませんが、どうも暗い部分、裏の部分にばかり焦点を当てようとする気運が全体としてあるのではないでしょうか。
ある意味、日本人の特徴と言われている成功者への妬みなのでしょうか。
変な感想で申し訳ございません。
今後とも頑張ってください。成功をお祈りしております。
伊藤
投稿情報: 伊藤 伸吉 | 2007年6 月18日 (月) 09:10