敬愛する人のブログエントリーより。ゆっくり歩こう。Have a good weekend!
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車が沢山通る大通りの歩道を、2歳前の子供と一緒に歩いていた。目的地まで、私一人なら5分くらいの道のり。
1歩歩いては、横を通り過ぎるバスやトラックに釘付け。
車が向ってきて、走り去っていくまで、じっと見つめる。
「バス、バス!」と腕をピンと伸ばして指差して叫ぶ。
行ってしまったら 「行っちゃったね」と寂しそうに言う。
そうかと思うと、犬がやってきて、また釘付け。
ちょっと進むと、少し高くなっているマンションの入り口のブロックがあり、そこに足を目一杯あげて、バランスを注意深くとりながら登って満面の笑み。それから、大きく深呼吸をして、ゆっくりと飛び降りる体制をつくり、「ジャーンプ!」
もう、とっくに10分経っているのに、全然目的地に近づかない。はぁ、とため息がでる。
「もう行くよ!」と声をかけようとおもったら、すでに次の発見物・自動販売機のボタンや取り出し口を真剣な顔をして、さわって研究。
そこからも、電柱に抱きついてみたり、路上駐車の車のタイヤや自転車のパーツを観察・さわったり、乗ろうとしてみたり。
通りすがりの人を興味深く観察して、こんにちわ とお辞儀をしたり、バイバイって手を振ってみたり。そしたら、人も微笑んでくれたり、話しかけてくれたりする。
そんなコドモをみていて、目的地に早く着こうとしている自分が馬鹿らしくなってきた。
こんな短い距離だけど、この子供にとっては、発見物・新しいことにチャレンジできる機会の宝庫なんだって気付いた。私がこの道を歩いても、何も発見しないし、ドキドキしない。第一、何も興味をもって見ていないし、聞いていない。ただ、目的地へ着くことしか考えていない。
でも、この子はエンジンの音がすると振り返る。エンジンの音だって、色んな音があることに気付く。車だって、色んな形や色、大きさ、走るスピード、乗って る人がいる。自動販売機だって、考えてみたら、ものすごく面白い代物だ。色んな絵が描いてあるボタンが沢山あるし、色んな飲み物が飾ってあって、お金や ジュースの取り出し口など、色々ある。
人生も同じだな、と思う。
あまり多くのものと関わらず、目的地に到着することを第一として歩けば、当然早く行きたい所に着く。早く着いた分、もっと遠くにいける時間があるかもしれ
ない。でも、早く到着したからって、何があるんだろう?ワクワクすることでも、安らぎでもなく、また次の目的地を探さなきゃ、という焦りを感じるだけかも
しれない。
でも、この子供のように、大して前に進めないけど(というか、この子は前に進むとか、どっちが前だとか、どこかに到着する、という概念をもっていない)、1秒1秒を感動を持ってすごしている。
そう思うと、この子が前にすすまなくてイライラするのがどこかに行ってしまった。
この子と一緒に、この子が感じているこの「道」を楽しんでみよう、そう思ったら、気付いていなかった沢山のものが見えてきた。
同じ経験をしています。1歳半の息子がブロック塀を指差して「ブーブ」と叫ぶ。よく見るとブロック塀のわずかなすき間から車が見えた。あとスーパーで他人を指差して「でっしゃ」と叫んだ。その人の買い物袋にとっても小さな電車のイラストが書いてあった(よく見なければ決して電車とはわからない)。子供の眼ってすごい。
投稿情報: ryota | 2007年4 月 6日 (金) 15:17
ちょうど同じぐらいの子供がいます。
子供って大人が気づかないようなことも良く見ていて、注意深く聞かないと聞こえない飛行機の音や、一瞬だけ車の間から見えたショベルカーを見つけては教えてくれますね。
なんか子供から教えられる事が多いなぁと最近思います。
投稿情報: たいち | 2007年4 月 6日 (金) 10:32