先日、オフィスにいらして頂いたDanさんに、拙著とともに、社長の出口が書いた「生命保険入門」(岩波書店)なる本をお土産にお渡ししたところ、早速二冊とも書評を書いて下さった。お忙しい中、どうもありがとうございました!
Danさんが「生命保険入門」を読まれて驚きとともに指摘されているのは、わが国の生命保険の金額の大きさ。
年間に支払われている生命保険料は、簡保・共済なども合わせると、約45兆円。GDPが500兆円だから、我々は年収の1割弱を生命保険に支払っていることになる。これ、結構多いです。
そして、我々にかけられている生保の保険金の総額は、約2,000兆円を超える。ここまでいくと数字が大きすぎてよく分からないが、GDPの4倍以上。2003年のデータでちょっと古いが、アメリカはGDPの約1.6倍、イギリスは約1.1倍とのこと。
また、これは「生命保険入門」で引用されている毎日新聞2001年8月5日のデータだが、同じ1000万円の掛け捨て死亡保険(10年定期)の保険料は、米国710円、英国990円に対して、日本が1900~2500円。
これら二つのデータをあわせると、日本人は米英と比べて、2倍~5倍も多くの保険料を払っていることになる(保障総額1.1~1.6倍 × 単価2~3倍)。間違いなく、世界一の生保大国である。
「生命保険入門」はこのような高い保険料が支払われてきた要因として、死亡保障が好まれてきた社会経済環境と、単価が高く設定される要因となった販売チャネル(=人海戦術による営業)を掲げている。これら自体は戦後の経済成長の中で重要な意義を持ってきたが、新しい時代においては、どのような生命保険商品・サービスが求められるか、再考する必要がある。出口の著書には、そのヒントがちりばめられていると思う。
もう一つ、問題とすべきは、これほど身近で高額の商品であるにもかかわらず、私たち自身が生命保険の仕組みがどうなっているか、十分に理解していないことであろう。金融庁は最近になって、比較情報の充実や約款の簡明化など、分かりやすく選びやすい環境を整備しようとしている。そして、僕たちの試みも、このような時代の流れを受けて、新しい生保商品サービスを提供しようと、いうものである。
Danさんの心暖まる書評に、また元気が出た!三歩進んで二歩後退、の日々が続くが、くじけずに頑張って行こう。そんなことを考えさせられた、雨の月曜日の夜。
初めまして、いつも愛読してます。
ホント、今の生保の契約内容が複雑でよくわかりません!
ネット生保が出来たら、是非加入を検討したいです!!
応援してます!!!
投稿情報: mini1 | 2007年4 月18日 (水) 00:15
はじめまして、ネット生保立ち上げを陰ながら応援する某共済の職員です。
既存の生保・共済はとにかく変な特約をてんこ盛りにして付加保険料を稼ぐことしか考えていません。某生保は通院特約の販売を止めるようですが、そもそも通院のための費用を保険商品にするなんて・・・顧客ニーズってもの考えてるんでしょうかね?顧客ニーズは考えず、自分たちの勝手な妄想で商品のアップグレードを繰り返し、複雑怪奇とした商品内容に専門の査定員でも保険金支払の有無がわからず(困難となり)、一連の不払いを起こす結果となっています。
シンプルな商品で、「自分で考えて選ぶ生保」・・・ネット生保に勝機はあります!!
投稿情報: 高木 | 2007年4 月17日 (火) 22:44
確かに生保が日本でここまで大きくなったのは、経済成長など時代背景があったのかもしれませんね。個人も必要な保障というより貯蓄的な意味合いであったり、企業も税金を払うよりは節税目的の保険加入といった目的も大きかったかもしれません。
それに加えて最近思うのが、日本人の金融商品へのリテラシー不足ということも大きかったように思います。先週の東洋経済の特集の「数の極意」にも書いていた「元本を2倍にするためには7%の運用で10年」という感覚は自分でもありませんでしたし、○○円月々掛けておけば死亡保障もつくし一定期間後に掛け金以上戻るから損しないので終身保険に入るといった感覚だったのではないでしょうか。
日本人も単純な足し算引き算から複利の感覚にリテラシーが高まり、自分で許容できるリスク度合いを考えるようになりつつありますので、「自分で考えて選ぶ生保」というのにも勝機はあるように思います。がんばってください!
投稿情報: くまさん | 2007年4 月17日 (火) 13:35