先日のエントリー、「賢者からの手紙」でウォーレン・バフェットが毎年バークシャー・ハザウェイの株主へ書いている「株主への手紙」について述べたが、2006年版が昨日発表された。これがまた、読んでいてたまらなく面白い。
バークシャーは投資活動に加えて何10社もの企業を買収しているのだが、今後は「ネズミ」ではなく「ゾウ」と言うべき大企業だけを買収のターゲットとする、ということを説明するために、スーパーで買い物かごを同じく買い物していた若者にぶつけてしまった老人の話を例にしている。
「・・・その老人は『自分の妻を見失ってしまい、必死に探しているうちにぶつかってしまった』」と申し訳なさそうに説明した。
これに対して、彼の新たな知人は、「偶然にも私の妻もスーパーの中で行方不明になってしまったのです。二人の女性を二人で一緒に探した方が効率的ではありませんか?」と提案。
これに同意した老年は、新たな仲間の妻がどのような外見であるかを聞いた。「彼女はゴージャス系の金髪で、そのカラダはどんな牧師でもステングラスをぶち破っていってしまうほどで、ピチピチの白いズボンをはいています。ちなみに、おたくの奥様はどのような外見で?」
老年は一秒たりとも無駄にしなかった。「うちのはもう忘れて、オタクの奥さんだけを探そうではないか」
「我々はバークシャーが狙っている買収ターゲット企業の基準については、●ページに記載している。この基準に合う企業が見つければ、昼でも夜でもいいので、電話してください。あとは、僕がステンガラスに突っ込んでいってガシャガシャと壊してしまうところを見ていてください」
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僕も将来は、このような家族や友人へ語りかけるようなユーモアあふれる口調で、株主の皆様へ手紙を書いてみたいものだ。 have a good weekend!
「大人のウィット」という言葉も、気に入りました!日本語だとフォーマリティ重視なので、なかなかウィットを取り混ぜるのは容易ではないですよね。ただ、ユーモアを取り入れられるというのは自然体であることですし、そういった「笑い」の心は人を明るい気持ちにさせるし、もっとあってもいいと思います。わが社はバークシャーのようなアニュアルレポートを目指します!
投稿情報: Daisuke | 2007年3 月15日 (木) 07:43
バークシャーハサウェイの文章はウィットに富んでいますね。読んでいて楽しい。ここに限らずアメリカ企業のAnnual Reportはスタイルが革新的です。デザインも含めて。一体日本企業のAnnual Reportその他の文章で読むに耐えうるものがどれぐらいあるでしょう?画一的。退屈。日本企業に欠けているものは大人のウィットでしょうか。それは創造性の欠如にもつながっている気がします。
余談ですが、アメリカ人の表現で比喩の豊かさには目をみはるものがありますね。コンタクトレンズの処方してもらいに行ったときのこと、お年寄りの技師が「ぷーさんが山小屋で3皿のスープを見つけました。1皿は熱すぎて食べれなかった。別の皿は冷たくてまずかった。残るひと皿は丁度良い温度でおいしく食べられました。今回のレンズも度が強すぎず弱すぎず、丁度良い度にしてあります」さすがにこのときは「オイオイ、コドモじゃないんだから...」と苦笑いでしたが。けれど、社会全体が「誰にも理解できる分かりやすさ」を心掛けていることはとても重要なことだと思います。
投稿情報: Yoshi | 2007年3 月11日 (日) 21:06