物事には、何ごとも複数の側面がある。一つの面だけを見て判断するのではなく、自分とは違う意見に対して「なぜ、そう考えるのか?」ということを自分に問うて、バランスの取れた視座を持つことが大切。そんなことに気がついてからというもの、ビジネスセンスがよくなったような気がする。一見、不合理・非効率に見えるようなものであっても、そうなっているのにはそれなりの合理性があったりする。目に付くマイナスの面だけを批判的に見るのではなく、もっと奥まで見通すようになれることが、重要ではないか。
拙著「ハーバードMBA留学記」は多くの方に読んでもらえているようで、あちらこちらで感想を見聞きする機会に恵まれてきた。ふふふ。もちろん人によって様々で、非常に暖かい言葉を頂くこともあれば、厳しいお言葉を頂くこともある。どちらであれ、真面目に読んでもらえると、自分の声を聞いてもらえたということで、とても嬉しい気持ちになる。きちんと読まないで、「立ち読みしたけどあんなの読む必要はない」とか言われてしまうと、悲しいのですが。
もっとも多く目につくご指摘が、「時系列に前後していたり、重複している部分があって、まとまりに欠ける。メッセージもクリアでない。編集者は何をやっているのか」といった類のもの。
確かに、「時系列に前後」と「重複箇所がある」はその通り。すいません。でも、あえて言い訳すると、ここらあたりも「では、何故こうなっているのだろう?」と考えて頂きたいところ。例えば、全面的に書き直して、そもそも上のような批判が出ないようすべてすっきりさせる、という選択肢ももちろんあったわけです。編集者だって、そんなこと分かってる。
しかし、今回はあえてそうはせず、多少冗長さを残してでも、ブログ・留学記ならではの臨場感を出したかった。それによって、これまでにはないものを作れると思ったのです。もっとも、全てが時系列のままの日記だと、本当に雑多になってしまうので、ある程度テーマ毎にも整理しておきたかった。臨場感とテーマ・メッセージ性のバランスの結果が、今のものになったのでした。
というわけで、改善の余地は、もちろんたくさーーーーーんあることは分かっているのですが、その辺は、処女作ということでお許し頂くとして、ただ、実際に書く立場になってみて、その意図なり狙いなりを考えてみると、評価する際にも、我々の悩みというか狙いを分かっていただき、もう少しだけ違った見方ができるのではないかなぁ、そう考えさせられる批評がいくつかあった、というわけです。
はじめまして、私は本を読んで、今までのBlog本の中で一番優れていると思いました。
Blogの臨場感を保ちながら、
思考を整理してあったので、私は引き込まれるように一気に読めました。
海外にMBAなどで留学している友人が多くいる事や、岩瀬さんが高校の先輩かも
と思いながら読んでいて感情移入できたからかもしれませんが。
(実際、先輩でした。)
次回作以降も期待しています。
(私もベンチャーで生きていますので、
ベンチャー立ち上げ記、期待してます。)
投稿情報: 山田 | 2007年1 月19日 (金) 00:41
お疲れ様です。
不合理・非効率はいろいろな場面で多く見られることに同感です。
生保でもあれだけ大量のセールスレディを抱えて人件費がどうなっているんだろう?と疑問に思いますが、
別な見方をすると就職が難しいおばさん達の雇用を創造するセーフティネットのような役割を果たしていると考えられます。
岩瀬さんの起こす会社は効率性を追求しつつ、多くの雇用も生むような夢のある会社なると良いですね!
投稿情報: 秋田 | 2007年1 月16日 (火) 23:22