新しい仕事を始めてから必ず聞かれるのが、「それで岩瀬さん、何でまた生保をやろうと思ったのですか?」ということ。私はこれまで保険の仕事とは縁がなかったので、疑問に思われるのはもっとも。そこで、下記にてポイントをお答えしたく。
一言で言うと、それは「自分らしさを活かして、世の中に大きなインパクトをもたらす、新しいビジネスを作れるかも知れない」と思ったから。
① 生命保険業界は年間の保険料収入が45兆円(簡保含む)の超巨大市場。世帯加入率も100%に近く、我々の日常生活に大きな影響を持つ分野。
② その影響力の大きさにもかわらず、既存の生保会社はこれまで十分に消費者の利便性を考えることなく従来型の「ノルマ型・押し売り型」販売手法を続けており、不適切な募集や不払いなど多くの問題を起こしてきた。わが国の保険料は国際比較でもかなり高い水準で高止まりしていることも踏まえると、現状で消費者にとって十分に魅力的な商品サービスが提供されているとは言いがたい。
③ かかる環境下で、当局が活発に推し進めようとしている規制緩和の流れも考えると、creative, innovativeに消費者の利便性を考えた商品サービスを作っていくことで、世の中に大きなインパクトを起こす新しいビジネスを作るチャンスがある。
④ 生命保険事業はその公共性にかんがみ免許が必要とされており、そのために適正な財政基盤に加え専門の知識や経験、十分な社会的信用が求められており、容易には参入できない(参入障壁が高い)。
⑤ 生保はある程度規模を確立したあとは資産運用能力が競争力の源泉になってくる。この点、自分がこれまで関わってきた投資事業と親和性がある。
⑥ 以上を実現する上で、自分が加わることで競争力があり、かつ愛称もとてもいいチーム(生保のプロ×新しいビジネスを創る若手、ビジョンを共有でき多方面で事業を支援してくれる投資家たち)がみえていた。
こんなことを考えながら、日々、「どうやったら新しい魅力的な商品サービスを作れるか?」ということに頭を悩ませながら、コツコツと頑張っています。いいアイデアがある方、ぜひお知恵を貸してください~
私は某外資系生保の営業マンです。
お客様からの紹介で本ページをはじめて読ませて頂きました。
岩瀬さんの思いは、日本の生命保険業界を変革する、という我々の思いと共通するものがあり、非常に嬉しく思いました。
私も一年前に全くの異業種から転職しました。まだまだ微力ながら日本の生命保険業界を変革するべく、岩瀬さんとは全く逆のアプローチ(戸別訪問)で日々奮闘しております。
岩瀬様もご多忙とは思いますが、是非情報交換などさせて頂きたく、宜しければ当方メールアドレスにコンタクト下さい。
お待ちしております。
投稿情報: 早川 剛史 | 2006年12 月 7日 (木) 17:29
ブログ、いつも楽しく拝見しています。
私は某大手生保に勤める者ですが、岩瀬さんの業界への参入を脅威に感じています。
漢字生保もビジネスモデルの限界には気づいていますが、方針転換できないまま時だけが流れていっています。
意思決定者が古い体験に基づく意思決定しかできないからなのか、若い世代に上を動かす力がないからなのか。
それとも他の何かが足りないのか。
自由で新鮮な発想を生み出す土壌とそれを育てる環境がないと、巨象も蟻に飲み込まれてしまうことでしょう。
巨像と蟻が相互に刺激を与えまた受けながら共存できる時代が来ればいいですが、もはやそのときには蟻は蟻ではないのでしょうね。
投稿情報: slow | 2006年11 月22日 (水) 00:41
岩瀬さん
いつも楽しみに読ませて頂いております。
生命保険には、借金の担保などというひどい状況を除けば、通常は自分が愛する家族や親族のことを考えて入るもですよね。でも、家族を持たないという選択をする方や、もう自分の愛する人に先立たれてしまった方の中にだって、保険金の受取人として指定できる人はいなくとも、自分に何かあった場合の後始末で他人に迷惑をかけたくないなって考えている人も多くいると思います。
そうした後始末、例えば、自分の死後に、部屋をキレイに片付けて、掃除して、お世話になった人にカードの一枚も出して、火葬してもらって、遺骨は指定の場所に入れてもらうなり海にまくなりしてもらって、それでも余ったお金は恵まれない人々に寄付をする、みたいなサービス・パッケージの生命保険って出来ませんかね?というか、そんなの、もうありますか?
投稿情報: NED-WLT | 2006年11 月21日 (火) 00:10