私は人を褒めるのが好きである。一通のメールでも、ちょっとした資料でも、いいところがあると、「いいじゃん~」と言いたくなる。別におべっかを使っているわけではなく、ただ思ったままに伝えたくなるのである。
人は誰しも、褒められると嬉しいし、モチベーションがあがるものだ。
とある巨匠にお仕事を依頼して、作品が出来上がってきたとき。我々の反応を待つ巨匠は、とても緊張しているように見えた。その作品の素晴らしさを、思うままに伝えると、先生は「よかったー!」と、少年のように嬉しそうな顔をした。どんな巨匠でも、作品を褒められると嬉しいことに気がついた。
少し前になるが、中学時代のマドンナと再会したとき。「岩瀬君、私のこと、一回もカワイイって言ってくれなかったよね」。(え?超カワイイの当たり前だから、言うのも恥ずかしくって言えなかっただけなのに・・・)。どんなに「美人」と言われ慣れている人でも、「きれいですね」と言われるのは嬉しいんだと知った。
これらの人がそうなら、ましてや我々だって、褒められたら嬉しいに決まっている。
人間誰しも、長所もあれば短所もある。多くの場合、それらはコインの裏表だったりする。人の欠点を指摘するときには、できるだけ同じくらい、長所を指摘するようにしている。本を一冊読み終わって「つまらない」という感想文をわざわざ書いて、さらに時間を浪費するよりも、その中から一つでも自分にとって役に立つことを見つけ出して、それを膨らませた方が身になる。
健全な批判精神を捨てて、ナイーブで無邪気になれと主張しているのではない。ただ、自分の満たされない気持ちを癒すための批判は自分の内にしまっておけばよく、共有すべきは、よりよいものを作っていくため、明るい世界を生み出す原動力となりうるものに限るべきである。
同様に、物事は何事も多面的である。上り坂は、上から見れば下り坂である。苦しいときがあるから、うまくいったときに何倍にも嬉しい。悲しくてつらいときがあるから、そこから抜け出すことができたときに晴れやかな気持ちになる。
明るい世界観が自分と周囲の人を育て、明るい社会を作る。
以上、「超凡思考」1-3、「明るい世界観が結果を生む」のコメントです。
たしか、「ビジネスマンの父から息子へ送る30の手紙」に、世の中の経営者は「褒める」ことが下手だとありました。全くそのとおりだと思います。コストがかからずに社員のモチベーションを高めることが出来る「褒める」は上司、親を含め上手く使うべきと思います。
投稿情報: ap | 2009年2 月23日 (月) 12:19
超凡思考、拝読しました。深い深い思考をシンプルに表現されていて、非常に読みやすく、自分の生き方(プリンシパル)を再考する上で良いきっかけとなる本でした。
しかも、ブログで新たなコメントも追加され、ブログを読むのがますます楽しみです。
投稿情報: DASE | 2009年2 月12日 (木) 23:59