日本を代表するシリアル・アントレプレナーが、イー・アクセス会長の千本倖生氏。本日発売された、「挑戦する経営 - 千本倖生の起業哲学」は、起業したいと思っている人だけでなく、企業勤めをしながらも刺激あふれる生き方を模索している方々にもお薦めの一冊。
NTTのエリート社員だった千本氏は、40代前半のときにDDIを京セラの稲盛氏と共に創業。数千億円企業に育て上げたのちに、ADSLのイー・アクセスと、携帯のイー・モバイルを創業し、60代になっても壮大な挑戦を続けられている。
最新の挑戦であるイー・モバイルの起業に際しては、ビジネスプランだけで3000億円を超える資金のコミットメントを得た!ということだから、スケールの大きさが違う。
本書の中で印象に残ったのは、二つ。ひとつは、稲盛氏に言われた言葉のなかで強烈に印象に残っているという、「始めたらやめるな」の一言。
『稲盛氏はこう言った。
「千本よ、苦しいだろう。だけど、事業というのは一度始めたらやめてはだめなんだ。筋のいい事業だと信じたら、石にかじり付いてでもやりぬく。競争相手がどうであろうと、知力を尽くして考え抜いて、勝負をあきらめない。決して途中でさじを投げてはいけない」
やめた時が失敗だ - 他社がもうだめだたと考えた時に、あと一分我慢しろ。他社が撤退を考えても、あと一歩努力して踏みとどまれ。この教えは、私の人生を貫く指針となった。』
千本氏ほど大成功された起業家でも、「もうやめたい」とまで追い込まれた瞬間があったかと考えると、すべての起業家は勇気づけられるはず。
もうひとつは、徹底したコスト管理によって筋肉質な体質の企業を作る、ということ。
『ベンチャーで心掛けなければならない要点は、利益を確実に出せる筋肉質の企業体質を早く確実に創り上げることだ。そのために、私はよく「全社員を真っ赤に染め上げる」という表現を使う。
・・・
イー・アクセスのビジネスは、お客様から二千円、三千円の料金をもらうことで成り立っている。基本的には、スーパーやコンビニでお弁当や総菜を売っているのと同じなのだ。スーパーやコンビニが「一円の利益」にこだわるように、図体がいくら大きくなっても「一円」にこだわり続けなければ企業は利益を上げられない。』
数千億円規模の投資を行う事業を営みながら、1円を大切にする心を忘れない。ビジネスに運は不可欠だが、いくつもの事業を大成功に導いているシリアル・アントレプレナーたりえたのは、決して偶然ではない。本書を読んで、そう痛感した。
『私は、真のベンチャーとは、国家と国民が必要とすることを自らリスクを取って行うことだと考えている。』
ライフネット生命も「真のベンチャー」となれるよう、がんばります!
イーモバイル・千本会長の記事x4本も参考になる:
http://kigyoka.com/kigyoka/public/news/category.jsf?id=1
投稿情報: snowbees | 2008年10 月 2日 (木) 21:10
<訂正>
(誤り)壮大な挑戦を続けられている
(正)。。。。続けておられる。
投稿情報: snowbees | 2008年10 月 2日 (木) 20:42
午前中そちらのコールセンターに「〇〇の件」でお電話しましたが、コールセンターの感じの良いお兄さん(Sさん)→岩瀬さん共に素早い対応ありがとうございました。
迅速な連携プレイ、お見事でしたm(_ _)m
投稿情報: S-akurair-o | 2008年10 月 2日 (木) 20:12
継続的企業であることは現代日本では常識といって良いでしょうが、ハーヴァードではどうなんでしょうね。
世の趨勢が変わって企業の社会的意義が乏しくなってもやめるわけにはいかないというのは正しい努力の方向と言えるのでしょうか。
投稿情報: niginigi | 2008年10 月 2日 (木) 11:23