「仕事時間を賢く楽に節約する10の方法」というエントリーを読んで、書かれていることはもっともなのだが、これは自分を厳しく律することができ、高い集中力をもって全力投入できるタイプの人向きのノウハウばかりで、どちらかというとムラがある自分にはなかなか適応できないと感じた(そういえば、小学1年生の通信簿にも、「よくできますが、ムラがあります」と書かれていた。人間、なかなか変わらないものです。)
代わりというわけではないが、ムラのある自分の仕事のスタイルを振り返ってみた:
1. 思いついたら、すぐやる。その場でやる。
友人から「あの人を紹介してほしい」という依頼の電話がかかってくる。電話を切った直後、3分以内には紹介メールを発信する。あるいは、会食の日時を確定する返信が来たら、もらった直後に目当ての店に電話をし、予約を確定させ、すぐに返信する。実際、「え?もうやったの?」と言われることがよくある。
先ほどご案内した「開業記念セミナー」も、前からやりたいと思っていたが、担当チームが忙しそうで、なかなか企画が進まなそう。そこで、今日のお昼前に自分で会場に電話を入れて空きを確認し、社内の関連部署に根回しをして、申込用紙を記入してファックスして、告知文を書いてブログにアップ。あっという間に、一つのセミナーができてしまいました。
優先順位づけも大事だけど、意外と仕事もLIFO(後入れ先だし法)が効果的だったりする。
2. 気分が乗らないときは、早めにあきらめる。その代わり、ノッテルときはガンガン攻める。
自分がいい仕事をするときの気分やテンションみたいなものを、体で覚えている。「あぁ、こういうときはダラダラして、いいのが作れないな」というのが分かっていても、なんとなくダラダラやってしまいがち。うまくいくのは、むしろ思い切ってそのときは切り捨てて、大胆に気分転換をしたのちに、環境を変えたり、レイアウトやフォーマットを変えることで、急にノッタリすることも。ワード文書のレイアウトやフォント、マウスパッド、椅子など、いろいろなものが影響してくるような気がする。ノッテいるときは、力尽きるまでやる。
100%、常に集中できる人と比べると効率は悪いのですが、自分はそういうスタイルだってわかっているので、自信を持って割り切ることも。これも、締切直前になるとなぜだか(自分のなかでは)クオリティが高い仕事で乗り切ることができる、ということを経験則として覚えているからなのですが。
3. ホワイトボードと上手に対話をする
コンサルタントの得意技。煮詰まったとき、もう一歩進めたいときは、頭で何となくわかっていることを、とりあえずホワイトボードに書き出してみる。人とディスカッションしながら、発言を整理する。とりあえず、「メリット/デメリット」とか「時間軸×機能」とか、二次元で整理してみる。分かっていたつもりでも、意外と新たな発見がうまれることが多い。最後は、プリントアウトするか、ケータイで写真をパチリと撮ってPCに送っておく。
作業の整理、新しいアイデアを出す枠組みなど、古典的だが、もっとも威力を発揮する思考ツールの一つであることは間違いない。なんとなく、うにょうにょ言いながら、まずはホワイトボードとディスカッションをはじめる。まずは、メモ帳として。もう一人の自分との対話の手段として。いまいちノラナイときも、ブレイクスルーがあるかも。
4. SOSを出す/自分の手から放す タイミングを知る。
自分ひとりでできること、出せるアイデアが限られていることは、わかっている。また、自分が判断に失敗するパターンも、なんとなくわかっている。ど ういうときに、誰に相談したらベストな答えが出るかを、肌で知っておく。周りを見ていると、意外と自分で抱え込んでしまって、相談してくれなかったりする 人が多い。どこまでは、自分の力でやるか。どういう事項については、自分よりも経験が豊かな人の判断を求めるか。あるいは、自分よりも感性が優れた人のア イデアを貸してもらうか。
コンサルティング会社時代からそうなのだが、「ここから先は自分ではムリ」「これはあの人の判断を仰いだ方がいい」「あの人を巻き込んでおこう」と いう見切り・判断がかなり早いように思う。自分が頑張っても、10か12にしかならないものも、他者を巻き込むことで、50にも100にもなる。
5. 他人の才能を愛し、それを伝える。
それぞれの分野の職人の人には、仕事ぶりを見ているだけで惚れ惚れする。地道で精緻なプロジェクト管理、保険だったら新契約の査定業務、あるいは事務マニュアルの策定。きめ細やかな仕事ぶりに「匠」の技を見ていると、なんか素敵だなぁと思う。すごいと思ったら、すぐに口に出てしまうが、それはそれで、自分の思いを伝えられてよいのかな、と割り切っている。いかにしてその職人芸の恩恵にあずかるか、を考えることで、チームとして最高のパフォーマンスを生む。
ちょっとでも「いいな」と思うことがあったら、照れずに口にする。誰しも、自分の仕事を褒められるのは、どんなにちょっとしたことでも嬉しい。自分だって、いつも嬉しい。だから、感謝の意を込めて「よかったですよ」「すごいですね」を言う。人によっては、「たまにしか褒めない方がいい」というスタイルの人もいるが、私の場合は、とにかく思ったことをそのまま口に出すようにしている。
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自分はどちらかというとだらしないタイプなので、毎日びしっと集中力を続ける仕事のやり方は、性にあわない。でも、これまでの「欠点を無くす」という発想から、「とことん強みや個性を伸ばす」というやり方も、これからはあるのではないか?そんな風に、自分を慰めています。
1は、大事ですね。
前はそういう仕事のやり方をしていたのですが、職場が変わって、動きがぎこちないのは、1じゃないからかも!と思いました。
5は、いつも心掛けるようにしています。
投稿情報: mai | 2008年6 月 3日 (火) 22:52
とはいえ,岩瀬さんは集中力も持続力も行動力もものずごくある部類に入ると思いますけどね。
That's why he was a Baker Scholar
投稿情報: tom | 2008年6 月 3日 (火) 07:30
僕もかなりムラのある性格なのですが、1には納得です。
LIFOで仕事を進めると在庫が残りやすい分、結局やれないものは早々に処分するので業務効率が改善すると思っています。
6以降も楽しみにしてます!
投稿情報: たかの | 2008年6 月 3日 (火) 02:21