夏季休暇を兼ねて、父の赴任先であるバンコクを訪れている。
息子が2歳になり、「ぱぱー」とその意味を理解しながら音を発するようになってから、自分が父親であることを意識するとともに、自分にとって父親がどういう存在であるか、考えさせられる機会が少なくない。
僕が産まれたとき、父は語学研修生として台湾・香港にて2年間を過ごしていた。この間にいなかったことが父子の関係に影響を及ぼすことはないと、これまでは考えていたが、自分が2歳の息子と親密な時間を過ごしていると、この時間がまったく意味が無いと考えるのもなんだか悔しい。
これまでの30年間、「父に教わったこと」として特に印象に残っていることが三つある。
一つめは、お風呂上りの着替え方。下着のシャツを、こうやってパンツの中にきゅっきゅっと入れると、着替えやすいだろ?まだ小学1年くらいだったと思うが、御殿場の大浴場を出た脱衣場で受け継いだ父の教えは、今でも忠実に実行されており、早く自分の息子達にも教えたいと思っている。
二つめは、ホテルのチェックインの姿。ロンドンで過ごした小学生時代は、家族で安ホテルを旅行することが多かったが、その際に後ろに家族を荷物とともに待たせながら、カウンターで諸事項を記入し、受付の人とやり取りをする父の後姿が印象的だった。いまでも、自分がホテルでチェックインをしているときは、そのしぐさがどうも父のそれを真似しているような気がしてならない。
三つめは、自分の子供たちには行き方を指図しない、という哲学。父は小学校までは人並みに「宿題やれ」など言っていたのだが、中学校にあがると、びっくりするくらいに何も言わなくなった。聞くと、「子どもが中学に上がったあとは、自分の背中を見て育てる。どうしろ、とは絶対に言わない」ということを決めていたそうだ。実際、中学・高校・大学・社会人と、進路についても生き方についても一切口出しされたことはなく、その徹底ぶりは見事だと思う。つい一言二言多い自分が実践できるか分からないが、できれば守りたいと今から考えている。
そんな父とゆっくり時間を過ごすのも、久しぶりのこと。高校入学時から4年間、父はニューヨークへ渡った。大学時代は、テヘランに2年間、単身赴任。社会人になると、今度はまた5年間、ロンドンへ。帰国してすぐに僕が留学し、それからすぐに最後のアサインメントとして、バンコクへ赴任した。 本当は聞きたいこと、話したいことはたくさんあるはずなのに、つい照れくさくて、いつもとりとめのない話題で終わってしまう。それでも、いいのだろう。僕は、父の背中さえ、見ることができれば。
>Toshioさん、
いいお父様ですね!+応援メッセージ、ありがとうございます。
>kenjiさん、
今度は奥様に「コメントしてください」とお伝え下さい!引き続きよろしくお願いします。
投稿情報: Daisuke | 2007年9 月 7日 (金) 21:14
いつも拝見させていただいております。妻共々、なるほど~と思いながら、また自分にも子供がいますので、子供に関しての考え方も、これまた妻とともに、うんうんと頷きながら読ませていただいています。
余談ですが、妻の方が先に岩瀬さんのブログを読んでいまして、「私の方が先よ」みたいな感じでなのですが、実は男の僕の方が共感できるのでは?と思っている部分もあり(笑)。
これからも応援しています!
投稿情報: kenji | 2007年9 月 7日 (金) 06:50
いつも楽しく拝見させていただいています。
私の父も「自分の子供たちには行き方を指図しない、という哲学。」を持っているらしく、大学2回生の今まで「宿題をやれ」と言われたことがありません。高校・大学の進路選択の時も何も言われませんでした。(私の父の場合は、ただ単に無口なだけなのかもしれませんが…笑。)
ネットライフの社員ブログとメルマガもいつも楽しみにしながら読んでます。金融機関をゼロから立ち上げる物語を読んでいるようでワクワクして、自分もいつかこんな企業で働けたらと勝手に考えています。
ここまで長々と書いてしまってすみません。お体には気をつけて頑張ってください!
投稿情報: Toshio | 2007年9 月 6日 (木) 21:13
えーっと、だから、こう下着のシャツを、こうやってパンツの中にきゅっきゅっと・・・それだけなんですけど
投稿情報: Daisuke | 2007年9 月 6日 (木) 18:22
お風呂上りの着替え方について詳細をお教え下さい。気になります(笑)
投稿情報: 大学4年 | 2007年9 月 6日 (木) 17:04