今朝は8時からオフィスの近所のカフェでMBA友達と進路相談的朝食会。いま流行のヘッジファンドの業務内容について知りたいとのことで、焼きたてパンと煎れたてコーヒーを飲みながら、知っている範囲のことをお話する。
ひと通り説明したあとに、彼に言った。ファンドもいいけど、もっと君の事業会社での業界経験と米国西海岸MBAで得た知見・人脈などを活かした、「自分ならではのキャリア」っていうのを見つけられたら楽しいのになぁ、と。
以前、コンサル会社のヘルスケア担当のパートナーに聞いた話。マネージャーの頃、彼のファームではヘルスケア業界に特化しているコンサルタントはほとんどいなかったため、早い段階からずっとヘルスケア一筋でやっている彼はいつの間にかグローバルでもかなりの権威になってしまった。
そこで彼が言う。多くの若手コンサルタントが、華やかで楽しそうな消費財や金融などのコンサルティングをやりたがる。しかし、企業の競争戦略を考える際には、競争が少なく、自分の優位性を活かせる戦い方をせよ、というくせに、何故に自分のキャリアのことになると、競争が多く、必ずしも自分の優位性が活かせない分野に皆がラッシュして飛び込むのだろう?
これはその通りだと思う。ほとんどの人が人気の業種や会社に就職したがる。その分野で圧倒的な優位性があると信じるならまだしも、なぜあえて、自分が多くの優秀な人たちの間で埋没してしまうような選択を取るのだろうか?いまは、個性を活かして多様な生き方を選ぶことができる、恵まれた時代。自分のキャリアの「競争戦略」を冷静に考えて、人とは違うニッチを見つけていくべきではないだろうか?
そんなことを考えさせられた金曜の朝。バリュー投資も同じですが、healthy dose of contrariness (健全なさじ加減の逆張り魂)をもって、キャリアも考えるべきなのですねぇ。
まだちょっと早いですが、everyone have a happy weekend!
(こう書くことが週末に更新しないことの免罪符)
Daisuke
最近、文庫にもなったベイン代表の山本真司さんの30歳向けの書籍に、まさに同じ差別化戦略が書かれていました!
http://www.amazon.co.jp/30%E6%AD%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E6%88%A6%E7%95%A5%E2%80%95%E3%80%8C%E3%81%BB%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E8%A1%93%E3%80%8D%E3%82%92%E5%AD%A6%E3%81%BC%E3%81%86-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E7%9C%9F%E5%8F%B8/dp/4569667791/sr=1-5/qid=1170949733/ref=sr_1_5/503-4704046-7529546?ie=UTF8&s=books
投稿情報: UE | 2007年2 月 9日 (金) 00:51
キャリアについては特にそうですが、誰しも他人のことは冷静に的確に批評できるのですが、自分のこととなるとその判断力を失ってしまう(恋愛も?)。そういう意味では、僕が先輩に聞いたような言葉は、非常に示唆に富んでいると思いました。人と違うことを恐れるのではなく、人と違うことにこそ価値があることを忘れないで!
投稿情報: Daisuke | 2007年2 月 9日 (金) 00:04
この間日経の記事で本の出版を知りました!おめでとうございます。 中学で(ユーカリ時代)同級生だった片桐です。
去年長年のイギリス生活から戻って参りました!今だにculture shockを感じている次第です。
ブログ、共感するところが山ほどあります。Highly interesting!
投稿情報: AkiK | 2007年2 月 5日 (月) 14:42
耳が痛いですが、ほんとに自分のキャリアの進化を考えると、自分独自の価値をもって、競争が少ない戦わずして勝てる分野で戦えというのは、重要な視点ですね。それが今後の成長分野なら最高なわけですが。。。というよりも新しい市場を創りたい。。。
クライアントに対する提言や実行支援と同じような切れ味や客観性が、自分のことになると、とたんに全然発揮できない。
自分の道こそ大事なのに。。。Daisukeさんのブログはビジネスの原点を再認識させられる大切なことがいっぱい書かれている宝庫ですね。
投稿情報: ガタック | 2007年2 月 5日 (月) 09:48
最近本を読んでファンになりました。
この前、私が外資系の生命保険会社からキャリアアップのため当社の話を聞いてほしいと声をかけられました。勉強をするために参加してみると、今までの大手の保険の考え方と大きく違い驚きました。一番は生命保険とは子供のときに入るのが一番よいということ。月4000円で、厳しい調査もなしに入れることがメリットだと・・でもちょっと考えてみるとそれって高いように感じるし、しかも保険でそんなに調査されたこともなかった。でもその会社曰く、保険に入ってから保険を使うまでの時間とは平均4年らしいです。あとは確率論的な話でしょうが、その人たちに確実にお金を支払うためにはしっかりとした調査をして入れるのだと話してました。
大手さんのやるおばちゃんが「あとこれだけやらないと首になってしまうのです」的な勧誘より聞いていて100倍良かったです。実際はわからないですけど。
あと2回(計3回)70人トップである支社長からレクチャーを受けることができます。どんな話をしてくれるか楽しみです。興味がありましたらご紹介します。知っておられるかもしれませんが。
キャリアという話ですが、自分のやりたいことを決めそこに向けて愚直に進んでいくしかないと思います。ちなみに私の夢は「世界中の人を笑顔にする」です。ドラッカーが30歳の頃に書いた本すら理解できない30歳の私ができることをするだけ。かめとうさぎの話と同じで、私はゴールだけをみて成長していきたいです。頭の良い方は大変だなとちょっとあこがれます。がんばってください。
投稿情報: タブー | 2007年2 月 3日 (土) 10:39
数社転職して最近感じるのがその人の強みやバリューがなければ勝ち残っていけないということ。商品を売るのもそうですが何によって差別化できるかという意識はキャリアでも重要ですよね。
私自身マーケターという軸でキャリアを重ね、今の会社でもその流れを続けるつもりで移ってきたのですが、気が付けば新規事業の立ち上げやプロジェクトマネジメントが主の仕事になっています。
これまでいくつかの会社で事業の見直しやプロジェクトの立ち上げをやってきたことが評価され今の仕事になっているのですが、自分はマーケターだという拘りからしっくりこない部分がありました。
ただ去年の暮れぐらいに自分のキャリアについてふと考えたら、世の中にあまた溢れているマーケターの中で競争するより、○○のビジネスをオペレーションも含め川上から川下まで立ち上げたということの方が差別化できるキャリアヒストリーだと気づき、これまで以上に楽しく仕事ができようになりました。
Daisukeさんの言っている意味、今なら良く分かりますよ。
投稿情報: くまさん | 2007年2 月 2日 (金) 13:29