NILSカンファレンスに参加し、新しい技術やサービスについて話を聞いてきた。それ自体刺激あふれるものだったのだが、感じたのは「ビジネスの本質は時代を超えて普遍的」ということ。
どんな新しい技術やサービスであっても、ビジネスとして成り立つためには、まずはそれを使う人にとってvalue propositionが明確でなくてはならない。人間の欲求というのはいつの時代でも、さして変わらない。それがどういう形で顕在化するか、という違いだけだ。新しい人間の欲求を作り出すことはとても難しいし、それを前提にした新規事業はなかなか成功しないだろう。そして、その顧客への提供価値をきちんとしたキャッシュフローに置き換えることができるビジネスモデルも必要である。
この単純で当たり前のルールを、どこかで「ルールが変わった」と錯覚してしまうと(インターネットバブル時代の売上・利益なき企業群)、ビジネスはうまくいかない。あるいは、色々と新しいものがでてきている時代でも、この基本さえ忘れないようにすれば、新しいフレームワークのもとでもビジネスの本質を見誤ることはないように思う。
他方で、そうはいっても世の中動いていくし、常に新しい技術・商品・サービスが産み出されている。誰が、インターネットがこのように世の中を変えると予測できただろうか?あるいは、Googleがこれまでの力を持つようになるとは?
難しいのは、このように本質的に変わらないものと、変わっていくものを峻別することであるように思える。従来型のビジネスに携わってきた人はなかなか「変わるもの」に対応できず、他方で新しいものに取り組んでいる人はこの「変わらないもの」を軽視しがちであるように思える。成功するビジネスパーソンというのは、この変わるものと変わらないもの、新しいものと古いものを峻別し、両者の間を瞬時に行き来し、ビジネスアイデアに結びつけることができる能力なのだろう。
いつも拝見しております。
岩瀬さんの行動力には関心させられます。
書籍化おめでとうございます。
今後も楽しみにしております。
投稿情報: marubiz | 2006年11 月25日 (土) 12:59