今朝の日経新聞一面より。「上場企業の負債依存度が下がり、金利上昇への抵抗力が高まった結果、投資などの成長戦略を継続しやすくなっている。預金などの利息収入が収益押し上げ要因になる場合も出てくる。国内の金融環境の変化に影響されにくい財務体質は海外企業との競争力を保つ上でも強みと言える」。わが国における借金や資本効率に対する偏った考え方をよく表している。外国の人が読んだら、笑われちゃうよ。
まず、無借金は「よい」ものではなく、資本効率を高める上ではネガティブであるという認識が必要。安定して利払いが見込める限りは、じゃんじゃん借り入れをして自己資本を有効に使って欲しい。利息収入が収益押し上げ?投資家が企業に出資するのは、そのおカネを預金して利息収入を産むためではなく、もっとリターンが高い事業に投資してもらうためである。余剰資金を寝かせておくくらいなら、株買い戻して返してください、こっちは他にいくらでも投資したい先はありますので*。国内で無借金で国際的競争力をつける?世界的に見たらまだまだ超低金利が続くニッポン。ひとまず為替リスクを無視するとして、低金利の日本でどんどん借りて、将来の国際展開のために投資していって欲しい。
僕が世界最強だと思っている大手ヘッジファンドとの面接では、ひたすらレバレッジや資本効率に関する理解を試す質問がされた。彼らが20年以上、20%以上のリターンを出し続けることができた秘訣を、垣間見ることができた気がした。今後は限られた資本をいかに有効に使っていくかという視点が、競争力を高めていくためにも不可欠になる。いまいちど、レバレッジに関する見方を勉強しなおして欲しい。
* ソフトウェア業界、ゲーム業界、医薬品業界など、ボラティリティが高い業界では、キャッシュを多めに持っておくことは必要です。
同感!特に「預金収入が・・・」のところは驚きました。日経の経営は大丈夫でしょうか?
投稿情報: こーちゃん | 2006年8 月26日 (土) 08:16